ろうじんせい‐なんちょう〔ラウジンセイナンチヤウ〕【老人性難聴】
老人性難聴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/23 15:15 UTC 版)
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老人性難聴(ろうじんせいなんちょう)とは、加齢が主たる原因の聴覚障害である加齢性難聴のうち,特に高齢の者に見られる難聴を指す。一般的には「耳が遠い」と呼ばれる症状であり,感音性難聴が多い。
聴覚に関わる細胞の減少・老化により、聴力が低下する。通常は50歳を超えると聴力が急激に低下し、60歳以上になると会話の面で不便になり始める。しかし、進行状況には個人差が大きく、40代で補聴器が必要になる人もいれば、80代を超えてもほとんど聴力が低下しない人もいる。
老人性難聴は、低音域に比べて高音域における聴力低下が顕著である。老人性難聴(加齢性難聴)による聴力低下の程度は、ISO 7029[1]に男女別に示されている。日本人の聴力低下の様相はそのISO規格にほぼ一致しており[2]、人種による差は小さいと見られる。
音声の聞き取りにおいては、子音(特に「さ」行)の異聴が増える。一般に女性の声が聞き取りにくくなると言われるが、その学術的根拠は必ずしも明確ではない[3]。そのためドアの開く音とか車のエンジンの音、足音などといった物音に非常に鋭敏になるという特性もある。また雑踏の中などのように、複数の音が重畳する場面での会話などが聞きづらくなったり、レコードを掛けていたり、映画などを鑑賞中、音楽の高音域が聞こえづらくなり、ぼやけて聞こえるなどの現象も自覚するようになる。
補聴器をつける事で、会話の不便さはある程度改善される。
老化以外の原因で聴力が低下した「中途失聴」とは区別する。
関連項目
- 老視(いわゆる「老眼」)
- ^ “ISO 7029:2017” (英語). ISO 7029:2017 Acoustics — Statistical distribution of hearing thresholds related to age and gender. International Organization for Standardization. 2025年8月23日閲覧。
- ^ 倉片, 憲治 (2024). “ISO 7029:2017(聴覚閾値の年齢別・男女別統計的分布)と日本人聴力の比較”. 日本音響学会誌 80 (3): 112–118. doi:10.20697/jasj.80.3_112 .
- ^ 小林, まおり; 倉片, 憲治 (2023). “女声と男声のどちらが聞き取り易いか”. 日本音響学会誌 79 (2): 85–93. doi:10.20697/jasj.79.2_85 .
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