隠岐西ノ島のシャーラブネとは? わかりやすく解説

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隠岐西ノ島のシャーラブネ

名称: 隠岐西ノ島のシャーラブネ
ふりがな おきにしのしまのしゃーらぶね
種別1: 風俗習慣
保護団体名: 美田地区浦郷地区
選択年月日 2004.02.16(平成16.02.16)
都道府県(列記): 島根県
市区町村(列記): 隠岐郡西ノ島町美田浦郷
代表都道府県 島根県
備考 8月16日
解説文: 隠岐西ノ島のシャーラブネは、島根県隠岐郡西ノ島町美田【みた】地区浦郷うらごう地区伝承される盆の精霊しょうりょう送り行事で、様々な色の数多くの旗で飾られ大きな船に子どもたち供物とともに乗り込んで海岸から沖に向かい、盆に迎えた先祖の霊を送り出す行事である。シャーラとは精霊、つまり先祖の霊のことであり、シャーラブネとは精霊船意味する
 西ノ島町は、島根半島沖合約六〇キロメートル日本海に浮かぶ隠岐島前【どうぜん】の西ノ島にあり、一島一町形成している。シャーラブネは、西ノ島西南広がる美田湾に面した美田地区船越ふなこし】、小向こむかい】、大津【おおつ】、市部【いちべ】、波止【はし】の各集落と、島の西端となる浦郷地区浦郷うらごう】、赤ノ江【しゃくのえ】、珍崎【ちんざき】、三度【みたべ】の各集落行われている。いずれも八月十三日に各家が迎えた先祖の霊を、十六日に船に乗せて地区共同送り出す盆の精霊船流し行事であり、美田地区の各集落浦郷地区浦郷と赤ノ江では八月十六日早朝行われ浦郷地区の珍崎と三度では十六日夕方行われている。
 この行事は、各集落とも男の子どもたちによって伝えられてきたものである男子小学校中学年になると行事参加するようになり、大将あるいは子ども頭と呼ばれる中学三年生中心として、船の製作を始めとする行事全体担ってきた。しかし、子どもの数がしだいに減ってきているため、現在は大人たちが中心となって行事が行われるよう変わりつつある。
 シャーラブネの製作は、八月初旬から始まる。船は、船体骨格部分を木と竹で組み外側や葭などを編み込んで作られる。船の中央には大きな帆柱立てられる帆柱には帆を象った縄が幾本も張られ南無阿弥陀仏と書かれた小さながたくさ結び付けられる。船を飾る旗は、十三日までに各家が色紙などで作り先祖迎えるためにそれぞれの仏壇や墓に供えていたもので、十五日に子どもたち地区内の家々共同墓地回って集めてくる。また、船の水押【みよし】や帆柱先に提灯や花などが取り付けられるこうした旗などの飾り付けは、十六日早朝行事が始まる直前行われる。船の大きさは、集落によって異なるが、最も大きな船作る美田地区船越では、船の全長帆柱の高さは十数メートルにも及ぶ。ただし、近年は船もしだいに小さくなっており、また、材料不足等もあって船体各部仕上げ簡略になってきている。
 美田地区の各集落浦郷地区浦郷と赤ノ江では、十六日早朝それぞれの集落に近い海岸人びと集まり、船に最後飾り付けをし、海上浮かべる。そして、野菜果物菓子などの盆の供物を船に積み込む中学三年生たちが乗り込み漁船に曳かれて出発する。シャーラブネは、大勢の人たちが見守る中、湾内右回りに三周し、沖をめざして進んでいく。集落によっては、太鼓や鉦などを持った子どもたち別の漁船乗り込んでシャーラブネを沖まで送っていく。
 一方行事夕方行われる浦郷地区の珍崎と三度では、地区男性たちが経文書かれた旗を持つ子どもたち従え、シャーラブネを担いで新盆家々回り供物集めてから海へ流す。新盆の家に着くと、玄関先庭先にシャーラブネを置き、男性たちがその周囲で輪になって盆歌唄う。こうして新盆家々回り終え日没のころ、船は海岸運び出され精霊と書かれた帆を張った後、美田地区同様に漁船に曳かれて沖へ向かう。美田浦郷地区の各集落とも、かつては、シャーラブネを外海まで曳いていって流し出していたが、現在は、岬の決められた場所に船をくくり付けて帰ってくる。



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