阿仁地方の万灯火とは? わかりやすく解説

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阿仁地方の万灯火

名称: 阿仁地方の万灯火
ふりがな あにちほうのまとび
種別1: 風俗習慣
保護団体名:
選択年月日 2005.02.21(平成17.02.21)
都道府県(列記): 秋田県
市区町村(列記): 北秋田市上小阿仁村
代表都道府県 秋田県
備考
解説文: 秋田県合川町あいかわまち】や上小阿仁【かみこあに】中心とする阿仁地方では、春彼岸中日墓前ムラはずれなどで火を焚く行事が行われていたが、現在では阿仁川支流の上小阿仁川流域合川町上小阿仁村伝承されているのみとなった
 墓前では家単位で火を焚きムラはずれなどで焚く火は本来中学生くらいまでの子どもたちが中心となって行っていたといわれ、その後、ワカゼと呼ばれる青年たちや子どもの親たちが手伝ようになった以前束を一~二間ごとに並べて火をつけただけのものであったが、現在は代わりにろ布丸めて針金でしばり、これに灯油をしみ込ませたものを用意して集落名や中日彼岸などの文字表したりしている。
 合川町三木田を例にしてみると昼間墓参りをしたときに墓で火を焚き夜に集落向かい側にある田の畦や山の尾伝いマトビ焚いている。夜の行事中学生中心になって行うもので、これにワカゼも協力して行っていたが、現在では中学生の親も協力して行事行っている。布を丸く巻いたダンポを作り、これに灯油をしみ込ませて八~九メートル間隔に立てる。この火で「三木田」という文字を書くほか、火が回転するマトビなどを作る
 上小阿仁村小沢田では、三月に入ると中学生小学校高学年の子どもが中心になり、これに青年や親たちが協力して準備始める。中日近づく集落内の各家から寄付金やぼろ布集めてダンポ作りをする。中日の前の日になるとマトビ立てるための鉄パイプ灯油タンク、缶、針金などの資材マトビ立て現場運んでおく。中日午前中から鉄パイプ組み立てダンポに灯油をしみ込ませて吊し、「小沢田」「中日」「万灯火」の文字作る。この文字の間に車マトビ据え付けて準備終了し夜を待って点火する
 マトビ春彼岸中日ムラはずれで焚かれる火で、祖霊迎え送るものである伝承されている。また、この行事には火伏せ信仰作物豊凶を占うの性格見られる以前雪囲いはずして作ったノマ小屋マトビ準備をしたといい、春の訪れ実感させられる行事であったという。
 同種の行事は、かつては秋田県阿仁地方一帯行われていたが、現在では合川町上小阿仁村以外の地域では行われなくなっている。



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