関数空間
関数空間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/11 11:57 UTC 版)
「有限可換群上の調和解析」の記事における「関数空間」の解説
群 G 上の複素関数からなる集合 CG 上において以下の構造を考える。 各点ごとの和とスカラー倍により集合 CG は g 次元複素線型空間となり、標準基底は (δs)s ∈ G (ただし δs はデルタ関数を表す)で与えられる。関数 f の標準基底に関する座標は f(s) であり、これを fs とも書く。 線型空間 CG には自然なエルミート内積が ⟨ f | h ⟩ = 1 g ∑ s f ¯ ( s ) h ( s ) {\displaystyle \langle f|h\rangle ={\frac {1}{g}}\sum _{s}{\bar {f}}(s)h(s)} により定義される。このエルミート内積は線型空間 CG にエルミート空間の構造を与え、これを ℓ2(G) と書く。 線型空間 CG には畳み込みと呼ばれる積が ( ∑ s a s δ s ) ∗ ( ∑ t b t δ t ) = ∑ s , t a s b t δ s + t {\displaystyle {\bigg (}\sum _{s}a_{s}\delta _{s}{\bigg )}*{\bigg (}\sum _{t}b_{t}\delta _{t}{\bigg )}=\sum _{s,t}a_{s}b_{t}\delta _{s+t}} により定義される。この積は群の積を δs * δt = δs + t のように延長した演算になっている。畳み込みは線型空間 CG に C 多元環の構造を与える。これを有限群 G の群多元環と呼び、C[G] と書く。
※この「関数空間」の解説は、「有限可換群上の調和解析」の解説の一部です。
「関数空間」を含む「有限可換群上の調和解析」の記事については、「有限可換群上の調和解析」の概要を参照ください。
- 関数空間のページへのリンク