関数要素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 01:24 UTC 版)
リーマン球面 C の領域 D において定義された有理型関数 f(z) は任意の w ∈ D においてローラン展開が可能であり k を整数として f w ( z ) = ∑ n = k ∞ a n ( z − w ) n {\displaystyle f_{w}(z)=\sum _{n=k}^{\infty }a_{n}(z-w)^{n}} という級数と同一視できる。 z ∈ D が fw(z) の収束円内にあるとき f(z) = fw(z) である。 fw(z) を w を中心とする f(z) の関数要素 (function element) という。 w = ∞ (無限遠点)の時は y = 1/z として、変数を y に取り替えて級数展開を行うものとする。 領域 D において定義された有理型関数 f(z), g(z) があり、ある一点 w ∈ D において f(z) と g(z) の関数要素が一致するとき、一致の定理により領域 D 全体でこの2つの関数は一致する。 この事実によって、解析接続がうまく定義される。関数要素という言葉はワイエルシュトラスによるもので、元々は、収束冪級数と収束円の組として定義されている。関数要素とは収束冪級数だけでなく、それが定義されている領域との組み合わせで意味を持つ。この領域の張り合わせによって、解析接続というものが実現できるのである。
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