開発スタッフの転業・他ジャンル進出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 18:47 UTC 版)
「アダルトゲーム」の記事における「開発スタッフの転業・他ジャンル進出」の解説
アダルトゲーム業界のクリエイターについては、後に他の様々な分野でクリエイターとしてシーンに登場するケースが見られる。 原画担当の場合には漫画家やイラストレーター・アニメーターに、シナリオライターの場合はライトノベルやジュブナイルポルノの小説家、雑誌や書籍のライター、あるいはアニメの脚本家などといった文筆業に転業したり、転業を試みた、また完全に転業しなくともこれら分野で仕事をするケースは多々見られる。特に商業出版でもライトノベルやメディアミックス情報誌など青年層以下を対象とした分野の出版物に登場するクリエイターには、現在ではアダルトゲームの業界を僅かにでも経験した人物がさして珍しいものではなくなっている。これらについては、転業先の業種にもよるが、メディアミックス・ライトノベル関係の仕事などを足掛かりにしてノンアダルト作品主体へとクリエイター活動の軸足を移していく者、異業種で改めて下からキャリアを積む者、元々他業界での実績がある人物で実質的にはその業界への復帰である者など様々であり、筆名をアダルトゲームで用いた当初の名義から一変させている人物や(一例:むらやまたかひろ、はちまん)、他ジャンルであらためて登場して以降は表向きにはアダルトゲーム業界・アダルト関連業界とは全く無縁になる人物も珍しくないが、かなりの割合でいわゆる萌え産業の範疇にその身を置くことになる(一例:アニメーション監督の新海誠。minoriのOP映像を製作していた。)(クリエイターとして転職しつつ萌え産業の範疇から脱出した稀有な例としては、ゲームシナリオライター経験者で最終的に直木賞作家となった山田桜丸(現:桜庭一樹)が存在する)。 その一方、商業ベースでの表現活動について回る様々な制約や規制を嫌った者や、あるいはゲーム産業よりも日程管理・版権管理がより厳しい商業出版やアニメの業界に適応ができなかった者、何らかの事情で商業ベースでの新たなビジネスチャンスに恵まれなかった者、元々から同人の分野で大々的に活動しておりそちらで高い知名度・人気・販売力を持っている者などには、メジャーシーンの商業作品からは一線を画した同人の世界に実質的な職業活動の活路を求めるケースも少なくない。その中にはアダルトゲーム業界で得た知名度も活かして短期間で大手同人サークルとなり、コミックマーケットなどの同人イベントに参加して同人誌・同人ソフトを大々的に販売したり、複数の同人ショップに卸しての委託販売を手掛けている者も見られる。近年では同人ショップの拡大などにより大手同人サークルの作品の販売規模が大規模化し、予算規模や販売量において小規模な商業ブランドに比肩する事実上の商業化を遂げたものも現れており、原画担当などには外注として商業ブランドと同人サークルの作品を両方手掛ける者も多い。
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