鉄道業務
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/08 15:07 UTC 版)
別名フライ旗(き)。 鉄道の場合、通常、駅のプラットホームで列車の進入監視業務や出発監視業務を行う時は赤旗を持ち(列車が進入する場合や、列車が出発する際に駅のプラットホームなどになんらかの異常がある場合、持っている手旗を振って列車に対していつでも非常停止合図を現示できるようにするためである。)、列車および車両に対して手信号を現示する場合や入換・連結・解放の誘導合図を行う場合は、赤旗と緑旗を用いる。旗の形状も色々あり、通常は取っ手の付いている旗が主流だが、南海電鉄では取っ手の付いていない赤旗、緑旗が用いられている。旗の色だけでなく持ち方も決められており、旗を広げた状態で合図を現示する場合と旗の下の端一片を握り棒と一緒に握って旗を広げずに合図を現示する、いわゆる「旗を絞った状態」で合図を現示する場合があって、持ち方で合図の意味が変わる。国土交通省令・鉄道運転規則では、臨時手信号の徐行信号で赤手旗と緑手旗を絞って頭上で交差させる現示方式や入換合図の僅少の移動を指示する合図で絞った赤手旗を高く掲げてその下で緑手旗を振る現示方式が定められている。駅職員が赤旗を軸棒に巻き丸めるのではなく赤旗を絞って携行するのは、何らかの異常があった場合に、即座に旗を広げて停止合図を現示できるように備えるためである。 また、阪神電鉄や神戸高速鉄道などでは、駅員が所持する旗は、赤旗ではなく白旗が使われており、近畿日本鉄道では特に増解結の際に、赤・白・緑、計3色の旗を持つ(最近では、赤と緑の2色で増解結することがある。暗い場所での連結時は、赤・緑の切り替えが可能であるペンライトを用いる)。また、保線の現場においては列車運行中の合間に作業する場合がとても多いため、列車見張員(列車監視員)に作業員待避完了合図や、作業場所の異常発生時に列車乗務員へ線路支障を現示するための旗を持たせる鉄道会社が一般的だが、持たせる旗の色や合図の出し方が鉄道会社によって大きく異なる。JR東海においては、旗ではなく長いトーチ状の合図灯を列車見張員(列車監視員)に昼夜問わず持たせており、必要に応じてトーチを点灯させて緊急停止などの合図を送るが、待避完了時は斜め45度にトーチを無灯火状態で掲げることによって待避完了合図となる。 なお、駅業務、運転業務、保線業務などの分野を問わず、夜間やトンネル内や地下では手旗の視認が困難なことから、電光式の合図灯が使われる。
※この「鉄道業務」の解説は、「手旗」の解説の一部です。
「鉄道業務」を含む「手旗」の記事については、「手旗」の概要を参照ください。
「鉄道業務」の例文・使い方・用例・文例
- 鉄道業務のページへのリンク