鉄道模型としてのブラスモデル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/21 09:10 UTC 版)
「ブラスモデル」の記事における「鉄道模型としてのブラスモデル」の解説
鉄道模型では、プラスチックの他にダイカストやプレス加工の部品を使った電気で稼動する小型のものが一般向けホビーの低価格ラインに存在し、その上位モデルとして、細部まで削り出し加工で再現されたブラスモデルが流通している。更には独自に真鍮板や真鍮パイプなどを利用して部品から製作する好事家や、組み立てや仕上げはユーザーが行うキットモデルも市販されており、はんだ付けややすり掛けなどを通して組み立てられる。ブラスモデルの代表的なメーカーとして、宝飾品も手掛ける天賞堂などがある。 1940年代から1970年代にかけて日本製の真鍮製鉄道模型は欧米各国に輸出され外貨を稼ぐ一手段として輸出の一翼を担った。しかし、その後、人件費の高騰、ニクソン・ショックによる円高によって日本製の真鍮精密模型の輸出は大きく落ち込み、現在では韓国製真鍮製鉄道模型が席巻している。輸出を担った鉄道模型メーカーには輸出専業のメーカーも多くあり、それらの大半は家内制手工業の域に留まるものが大半であった。その為、プラザ合意後に円高が進むと競争力が落ち、転廃業が相次いだ。そして円高による空隙を突いたのが韓国のメーカーであった。当初は品質の低い製品が大半であったがウォン高が進むと高級品路線に転じ、現在では市場の大半を占める。韓国のブラスモデルメーカーは欧米のインポーターの下請けが多く、製品によって当たり外れがあり、品質が安定しない例もあるが、概ね受け入れられているが、近年は中国製の精密ダイキャストモデルやプラスチック製モデルの台頭により、苦戦している。ブラスモデルを手がけていたメーカーは転廃業によりノウハウが散逸し、現在では主に愛好家の間でノウハウが受け継がれている。また以前は大量生産を前提としたプレス成型が多用されていたが、近年では多品種少量生産が主流になり金型代のかかるプレス成形は減り、ロストワックスやエッチングパーツの多用が主流になりつつある。ブラスモデルにはダイキャストや射出成形によるプラスチック製品には無い独特の雰囲気があり、往時を偲ばせる。往年のブラスモデルは現在でもネットオークション等で出品されているのが散見される。愛好家の間では収集の対象となっており高値で取引される。 現在でも販売されるブラスモデルはエッチング板による組み立てキットの形態が多く、小規模なメーカーが少量を生産、販売する。
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