道具・資源
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 03:57 UTC 版)
道具 日本では縄文時代から小型のハクジラを中心に積極的捕鯨が行われており、捕獲の経緯は諸説あるが大型のクジラ類の骨も出土している。これらの骨は加工され、さまざまな形で利用されており、簎(やす〈wikt:en〉。矠とも表記)や銛(もり)、「アワビオコシ」(貝を剥ぎ取る箆〈へら〉)などの漁具から紡錘車や脊椎を利用した(形状や丈夫さが適していた)回転台などの生活用具まで多岐にわたる。 資源 その後、11世紀頃を皮切りに、世界中で大型のクジラに対して積極的捕鯨が行われ、鯨骨の利用がされるようになった。日本での主な利用としては、大量の脂肪分を含んでいるので、抽出できる油から灯火用の燃料や農薬として利用されてきた。また、搾った残り滓の鯨骨は細かく粉砕して肥料とした。 建築資材 カナダやアメリカなどに暮らすイヌイット(厳密にはユピックとイヌピアットと呼ばれる人々の総称。包括的呼称であるエスキモーの代表的民族)はイグルーと呼ばれる家に住むが、夏用のアザラシやセイウチの革を利用したテントと、冬用の半地下または組石造の外壁で作られ、屋根には板や革を張ってその上に土・芝土・苔などで覆い、寒さ対策の前室を供えた住居がある。木などの植物が育たない地域で暮らしているので、これらの住居の骨組みとして、柱や梁に流木や「鯨の骨」が利用されている。ちなみに、「イグルー」という名称で馴染み深い、圧雪をブロック状に切り出し積み上げた丸いドームの家は、カナダのイヌイットだけが作る狩猟の旅先での仮の住居である。 その他のクジラに関する産業は、別項目「捕鯨」「鯨肉」「鯨ひげ」「鯨油」を参照。
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