連合軍専用車と代用二等車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/04 00:38 UTC 版)
「国鉄50系電車」の記事における「連合軍専用車と代用二等車」の解説
太平洋戦争後、連合軍の進駐とともに、山手線、中央線、京浜線、総武線の各線にも専用車が連結されるようになった。これらは、運用の都合から偶数向きの制御車クハ65形が指定され、窓下には白帯が巻かれて「連合軍専用」である旨の英文表記が行なわれた。 当初は全室指定であったが、中央線を除いて後に半室指定となった。また、青梅線では沿線に立川基地があった関係で、モハ50形の半室が連合軍専用として指定され、軍港のあった横須賀線では、代用二等車として使用されていたサハ75形1両も連合軍専用車となった。 英文表記については、初期の全室指定車が「MILITARY CAR」であったが、半室指定にともなって「U.S ARMY SECTION」に変更された。さらに他連合国の進駐にともなって、「ALLIED FORCES SECTION」または「ALLIED FORCES CAR」に変更された。 指定は次のとおりである。モハ50形8両、クハ65形55両、サハ75形1両の計64両が連合軍専用に指定されている。 1946年(昭和21年)1月京浜線用 - 65066, 65086, 65102, 65104, 65154, 65158, 65206(7両 - 全室指定/MC) 3月山手線用 - 65010, 65014, 65022, 65026, 65114, 65120(6両/MS) 中央線用 - 65050, 65070, 65072, 65084, 65090(5両/MS) 総武線用 - 65115, 65213, 65221(3両/MS) 5月 - 11月京浜線用 - 65012, 65016, 65018, 65030, 65034, 65046, 65054, 65058, 65064, 65078, 65080, 65088, 65136, 65150, 65152, 65160, 65192, 65194, 65198, 65204, 65210, 65212, 65214, 65218(24両/US) 中央線用 - 65056, 65156(2両/US) 9月横須賀線用 - 75005(1両・1945年12月から二等車代用) 1947年(昭和22年)1月京浜線用 - 65028, 65134(2両/AFS) 4月 - 6月青梅線用 - 50002, 50006, 50025, 65041, 50103, 50113, 50119, 50120(8両/AFS) 10月中央線用 - 65094(1両/AFS) 12月山手線用 - 65040, 65142(2両/AFS)、65006, 65132, 65208(3両/AFC) これらは、1949年(昭和24年)ごろから順次接収を解除され、旧に復していったが、中央線の65006, 65072, 65084, 65094, 65132の5両は、同年10月ごろに半室だけ接収解除されて二等室とされ、前半分に二等車の青帯、後半分に連合軍専用の白帯を巻いた姿となり、中には「クロ」の記号を付けたものもあった。1951年(昭和26年)12月の全面解除に際しては、京浜東北線用と中央線用の27両が半室二等車に整備され、「クロハ」の記号を付けた(クロハ65形に改称)。 これらは、1953年6月の形式称号規程改正では、クロハ16形とされ、番号も16800 - と区分された。改番後の1954年には、青梅線の仮モロハ置換えのため、5両が追加改造されている。改番の状況については、後節で一括して掲げる。
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