造園における空間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/10 00:55 UTC 版)
詳細は「ランドスケープデザイン空間論」を参照 造園計画やランドスケープデザインの対象となって創出されたり、または環境保全されたり景観操作された、一つのまとまった構造をもつ空間を造園空間という。ここでの一つのまとまりとは、周囲を囲まれた園、つまり物的なまとまりとしての空間だけを指すのでなく、景色や風景として一望できるまとまりある構造をも指している。造園空間の特徴をその空間構成の形式の点から建築空間との比較でいうと、ひとつ目の特徴は屋根のない床や壁による構成であり、すなわち外部空間であることが挙げられる。二つ目の特徴は、空間の構成要素が生命ある植物や水、土、石といった自然材であること、三つ目に、空間構成の観点が用と景にたとえられるように機能と外観のデザインが相互調整におかれることがあげられる。 造園空間の史的展開を空間事例であげると、フランスやスペインでは宮殿の庭園として発展し、イタリアではヴィラと呼ばれる別荘の庭園として、日本では寺院庭園等として、イギリスでは狩猟園地としてのパークや共有地としてのボストンコモンが都市公園として展開してきたことを知る。またアメリカ合衆国では、近代都市公園と国立公園としての自然公園が発生、展開した。 現在日本で成立している造園空間を示すと個人庭園から公館庭園までを含む各種庭園、都市公園に代表されるが、遊園地・スキー場・ゴルフ場・別荘地までを含む各種レクリエーション空間やリゾート空間、並木道や緑道から高速道路造園といった交通系の造園空間がある。これらの造園空間は、そうした空間が立地成立する地域空間の序列を備えていて、日常生活圏域で見受けられる造園空間から、より広域的な圏域に数箇所限定して成立するものまである。また、造園空間の土地所有や運営、経営の面からみると、公的造園空間と私的造園空間とがある。 この分野では造園作品と造園空間とを区分してとらえる傾向がある。
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