調査推移
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/16 17:43 UTC 版)
「フライドバイ981便墜落事故」の記事における「調査推移」の解説
3月20日に機体残骸の調査が完了した。ロシアおよびUAEの専門家は、レーダーデータの分析、パイロットとATC間の無線通信、気象状況の分析に着手した。フライトデータレコーダー (FDR) およびコクピットボイスレコーダー (CVR) は現場から回収され、モスクワのIACに送られた。 3月20日から21日にかけて、ロシア、UAE、フランスの調査員は両レコーダーからメモリーモジュールを抜き出しデータを読み取ることに成功した。ケースには損傷が見られたが、データの状態は良く、衝突の瞬間まではっきりと記録されていた。2人のパイロットの会話は文字起こしされ、フライトデータやATCデータ、気象データとの同期が行われた。 3月21日、残骸の回収が完了し、格納庫において機体の再構成が行われた。またモスクワの別のチームは、UAEの調査員、航空会社の派遣員、キプロスとスペインからの専門家らと共に、材料分析による機体の耐空性、同便の出発前準備、クルーの訓練状況等の調査を始めた。 3月23日、ロシアおよび諸外国のチームは、ロストフ・ナ・ドヌ空港の無線通信装置の試験、墜落までの他機とATCの通信内容の調査、ATCおよび空港気象サービスの評価を行った。また、フライトレコーダーから回収されたデータと、機体メンテナンスログやフライト資料をもとに、981便のフライト・コントロール・システムやエンジンを含む機体の全システムの稼働状態、クルーの行動と状態に関する分析を始めた。 3月29日、IACはフライトレコーダーから得られた予備的分析結果として、機体のシステム、エンジン、およびその他の装置に何ら故障の形跡は見られなかったと発表した。耐空証明は有効であり、出発時点まで整備履歴はすべて良好であった。墜落時を含む全2時間のクルーの会話が文字起こしされたものの、航空事故調査におけるロシア国内および国際的方針に則り公開されなかった。IACはボーイング社に対し、事故機のシステム運用状態の評価を補助する技術的資料並びに、ボーイング製造機における過去すべての類似事例に関する情報提供を求めた。 映像外部リンク 「現代の奴隷」エミレーツ航空とフライドバイのパイロットが明かす過酷な労働環境
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