誕生〜1990年代
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「テレンス・ブランチャード」の記事における「誕生〜1990年代」の解説
ルイジアナ州ニューオーリンズで生まれ育ち、同郷のウィントン・マルサリスとは幼なじみだった。ラトガース大学で学ぶかたわら、ライオネル・ハンプトンのツアー・バンドに参加し、1982年にはマルサリスの推薦で、アート・ブレイキー率いるジャズ・メッセンジャーズに加入。1983年には、ジャズ・メッセンジャーズで活動を共にしていたサックス奏者のドナルド・ハリソンと連名のリーダー・アルバム『New York Second Line』を制作し、ブランチャードは1986年にジャズ・メッセンジャーズを脱退してからも、ハリソンとのコンビで活動を続ける。 その後スパイク・リーと出会い、映画『モ'・ベター・ブルース』(1990年公開)のサウンドトラックの作曲を依頼されるが、「自分にはまだ映画音楽のスコアを作るなんて無理だ」と考えて辞退した。ただし、クレジットには記載されていないが、実際にはブランチャードも「シング・ソウェト」という自作曲を提供しており、この曲は後にブランチャードのリーダー・アルバムでも再録音されている。ブランチャードは『モ'・ベター・ブルース』において、主演俳優デンゼル・ワシントンの演奏シーンの吹き替えを行うだけでなく、ワシントンにトランペット演奏の運指練習なども指導した。 そして、1991年に公開されたリーの監督映画『ジャングル・フィーバー』ではスティーヴィー・ワンダーと共に音楽監督を務め、以後ブランチャードは、自分でも数を忘れてしまうほど多数の映画のサウンドトラックを作曲していく。また、ドナルド・ハリソンと別れて単独名義のリーダー・アルバム『シング・ソウェト』(1991年/原題:Terence Blanchard)をリリースし、『ビルボード』のジャズ・アルバム・チャートで5位を記録した。1992年、ブランチャードは再びリーの監督映画『マルコムX』の音楽監督を務め、劇中でもトランペット奏者の役を演じて、映画初出演を果たす。11月にはブランフォード・マルサリスやジェローム・リチャードソンらと共に録音したサウンドトラック・アルバムも発売された。また、同年12月には『マルコムX』で使用された楽曲を自分のクインテットで再録音し、1993年にアルバム『マルコムXに捧ぐ』としてリリースしている。なお、ブランチャードは映画音楽の分野で有名になってからも、ジャズ・ミュージシャンの本分はクラブやコンサートでの演奏だという姿勢を崩さず、後年のインタビューでも「ライヴ・パフォーマンスこそが、常に自分の居場所であり続けてきた」と語っている。 1996年のアルバム『ハート・スピーク〜プレイズ・イヴァン・リンス〜』は、ブラジルのミュージシャン、イヴァン・リンスの作品集となり、大部分の曲でリンス本人がゲスト・ボーカリストとして参加した。
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