試験導入から凍結まで(2005年〜2010年)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/18 17:27 UTC 版)
「ゴールライン・テクノロジー」の記事における「試験導入から凍結まで(2005年〜2010年)」の解説
2000年代以降、数々の疑惑の判定によりGLT導入の議論が活発化した。様々な競技がビデオ判定の導入に踏み切る中、サッカー界の対応は大幅に遅れていた。 2005 FIFA U-17世界選手権で世界で初めてGLTを試験導入した。ドイツのハード・ソフトウェア会社カイロスとアディダスが開発した磁場式GLT(マイクロチップを埋め込んだサッカーボールが、ゴールラインを通過するとセンサーが反応し、審判に信号を送る)を採用した。 2007年3月3日に、イギリスのマンチェスターで開かれたIFABの年次総会で、テニスなど他のスポーツでは導入されている前述の「ホーク・アイ」システムの導入を検討することを決定した。イギリスでの報道によると、FAプレミアリーグが、ユースレベルの試合で実験を行った。 2008年には磁場式ゴールライン・テクノロジーは効率性や正確性、コスト面で難があるとして、テストを含め凍結された。 2010年3月6日に、スイスのチューリッヒで開かれたIFABの年次総会で、GLTの導入を見送り、今後、検討や試験も行わないことを決めた。GLTはこれまで、ボールに電子チップを埋め込む方式やビデオカメラの設置が試されてきたが、この決定により、事実上、審判の補助としてのビデオ判定装置の導入も否定された。ただし、その決定は全会一致ではなかった。IFABの決定はイギリス本土4協会(イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド)が各1票、FIFAが4票を持ち、規則改正には計8票の内、4分の3(つまり6票)以上の賛成が必要となる。この総会においてイングランドとスコットランドは試験継続を求めたが、FIFAに加え、ウェールズと北アイルランドも、導入せずさらに検討や試験も今後は行わないとする立場に回った。 2010年南アフリカW杯では上記のランパードの幻のゴールなどもあり、再びGLT導入の声が高まった。このため、ブラッター会長はFIFAで討論会を開くことを発表した。
※この「試験導入から凍結まで(2005年〜2010年)」の解説は、「ゴールライン・テクノロジー」の解説の一部です。
「試験導入から凍結まで(2005年〜2010年)」を含む「ゴールライン・テクノロジー」の記事については、「ゴールライン・テクノロジー」の概要を参照ください。
- 試験導入から凍結までのページへのリンク