設計と用途
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/23 17:18 UTC 版)
ABVは全装軌式の装甲戦闘車両/戦闘工兵車であり、地雷原を除去して兵員および車両の進入路を啓開する。また、路肩爆弾や即席爆発装置の処理にも用いられる。 車重72t、全長12mの本車はM1エイブラムス戦車を基礎としており、動力には1,500馬力のエンジンが用いられる。また50口径の重機関銃で武装し、3,175kg程度の爆発物を携行する。車体前面には幅4.5mの鋤が取り付けられ、金属製の支持架で地表付近に保持されている。ABVはまた、M58 MICLIC(英語版)地雷除去導爆線を装備している。これは、ロケットでC-4爆薬を最高100ないし150ヤード前方へ曳航し、安全な距離から隠蔽された爆発物を起爆させる。これにより、兵員と車両が安全に通過できるようになる。 ABVは、この紛争において致命的な脅威に直面したNATOの兵員たちに対する「回答」と呼ばれた。 1990年代にはアメリカ陸軍でも同種の車両"M1 グリズリー"の開発を進めていたが、最終的にはこの主の用途のための複雑で保守に手間のかかる車両を開発し続けることはできないと決定し、2001年にはグリズリー開発計画が中止され、開発された試作車両が量産されることはなかった。しかし、海兵隊はこの車両を諦めず、自主開発と試験のために資金を提供していた。ABVの最終的なモデルは、ジェネラル・ダイナミクスで製造されるM1A1 エイブラムス主力戦車用の車体上部に本体部分を構築したものである。イギリスのピアソン・エンジニアリング社では、特別に設計された鋤と他の地雷除去用具を供給した。
※この「設計と用途」の解説は、「M1 ABV」の解説の一部です。
「設計と用途」を含む「M1 ABV」の記事については、「M1 ABV」の概要を参照ください。
- 設計と用途のページへのリンク