設立と初期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/29 07:32 UTC 版)
「シミュレーションズ・パブリケイションズ」の記事における「設立と初期」の解説
創業者のジェームズ・F・ダニガンは、学生時代からボードゲームのデザインを行い、1967年には、当時ウォー・シミュレーションゲームにおいて最大手であったアバロンヒル社に自作のゲーム『ジュットランド沖海戦』(en:Jutland)や”1914"を売り込んで、ゲームデザイナーとしての第一歩を踏み出していた。 ダニガンは、1969年にはSimulations Corp.という会社を設立し、”Test Series Games”(TSG)というゲームラインナップを自主出版していたが、同年、経営難に陥っていた"Strategy&Tactics”(S&T)の出版権を、オーナーであるクリス・ワグナーより引き継ぎ、社名をPoultron Pressと改名した:98 。彼は、S&T誌18号より、雑誌に毎回新しいウォーゲームを、マップ、ルールブック、駒のフルセットで添付することで、読者層を飛躍的に増大させることに成功した:186 。また、Simulations Corp.によるTSGの出版も継続しつつ、アバロンヒル社にも作品を提供したり同社製品の通信販売も請け負うことで、両社は共存共栄の関係を築いていた。 1970年、ダニガンは”TAC3”と呼ばれるゲームをアバロンヒルに売却し、同社はそれを『パンツァーブリッツ』(en:Panzer Blitz)として販売、結果として30万セット以上を販売する大ヒットとなったダニガンはその売却益によって、同年Simulations Corp.とPoultron Pressを合併し、新たにSimulations Publications Corp.社を立ち上げ、本格的にゲーム出版に乗り出すことにした。同社は、翌1971年に、Simulations Publications Inc.(SPI)と改名した:98 。 SPIは、S&Tの定期購読者を増やすため、サイエンティフィック・アメリカン紙を含む高価な広告キャンペーンを打ち、新規購読者には入門ゲーム”Napoleon at Waterloo”を無料で進呈するなどの戦略により、ユーザーをさらに拡大した。さらに、1972年には、よりゲームプレイに特化した雑誌”Moves”を発刊した:101 。しかしながら1973年、SPIの戦略とアバロンヒル社の思惑の不一致により、ダニガンはアバロンヒル社への作品提供と、S&Tが長らく担っていたアバロンヒルゲームの通信販売業務を停止した。これにより、SPIは名実ともに、アバロンヒル社の牙城を脅かす第二の出版社となった。
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