記念碑への冒涜・破壊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 05:33 UTC 版)
「バビ・ヤール」の記事における「記念碑への冒涜・破壊」の解説
2006年7月16日にユダヤ人犠牲者追悼碑が一部破壊される事件が発生した。ウクライナ外務省はこの破壊行為を非難する声明を出している。 2022年2月26日のワシントン・ポストによれば、2022年ロシアのウクライナ侵攻の際、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領とアンドリー・イェルマーク大統領府長官は、電波塔を狙ったと見られるロシアのミサイルがバビ・ヤール記念碑に命中し、5人が死亡したと報告したとされる。ゼレンスキー大統領はツイッターで「バビ・ヤールの同じ場所に爆弾が落とされたのに世界が沈黙しているとしたら、80年間”二度は無い”と言い続けてきた意味があるのだろうか?少なくとも5人が殺された。歴史は繰り返す...。」と述べ、イェルマーク大統領府長官もツイッターで「ミサイルがバビ・ヤール記念碑のある場所に命中した!ホロコーストの犠牲者が再び殺されている!」と述べた。 3月1日、THE TIMES OF ISRAELによれば、ロシア軍によるウクライナの電波塔に対するミサイル攻撃によって隣接するバビヤール地域にも被害が出たとして、ホロコースト記念館ヤド・ヴァシェムはロシアを強く批判し、また、イスラエルのヤイル・ラピッド外相やディアスポラ事務担当相のナフマン・シャイは空爆を行ったのがロシアだと明言するのを避けながらも攻撃を批判したとされる。 ロシア大統領評議会議員のアレクサンダー・セメノビッチ・ブロドは、西側メディアの報道が「冷笑的で下品な偽物」であると判明したと主張した。ブロドは「今回の事例はロシアの信用を傷つける典型的手法に当て嵌る。まったく異なる時間と場所で撮影された動画が使用され偽物が作成されている。」と述べた。 3月4日、THE TIMES OF ISRAELは記事の中でゼレンスキー大統領が国際社会に向けてロシアの爆撃とユダヤ人虐殺を関連付けて語る事に関し、「大統領は自分がユダヤ人だというルーツを強調し、ユダヤ人の共感を集める為に通常の推定より遥かに大きな虐殺被害者数を引用したり、バビ・ヤールの様に完全に正確ではない表現を用いる事がある。」「誤った情報は人気を集めたいリーダーにとって強力なツールにもなり得る。」として批判的に分析する一方で、「ユダヤ人の視点を用いているが、それは絶対に正しい。詳細に拘ると重要な問題を見逃す。バビ・ヤールは直接攻撃されなかったが、ロシアからの攻撃の危険に比べれば、それは悪い事ではない。」「ロシアのプロパガンダに対抗する必要があり、彼の努力について不誠実な事は何もない。世界はクレムリンの独裁者について知る必要がある。」として擁護する意見も掲載した。
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