複素数の対数とは? わかりやすく解説

複素対数函数

(複素数の対数 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/29 05:49 UTC 版)

複素解析における複素対数函数(ふくそたいすうかんすう、: complex logarithm)は、実自然対数函数実自然指数函数の逆函数であるのと同様の意味において、複素指数函数逆「函数」である。すなわち、複素数 z対数 w とは ew = z を満たす複素数を言い[1]、そのような wln zlog z などと書く。任意の非零複素数 z は無限個の対数を持つ[1]から、そのような表記が紛れのない意味を為すように気を付けねばならない。


注釈

  1. ^ このことを、複素指数函数は各非零複素数 zz の対数となる複素数全体の成す集合を対応させる多価函数を「逆函数」に持つと解釈することもできる
  2. ^ 特に計算機言語では atan2(y, x) とも書いて、これは x > 0 では arctan(y/x) に一致するが、任意の (x, y) ≠ (0, 0) に対して修正された値をとる。
  3. ^ 実際にはこれは主値 Log z の制限になる。そのことは、主値との差を微分して 1 における値を比べればわかる。
  4. ^ 厳密にいえば、各円上の点から負の実軸上の点は除くか、そこでは主値を用いるかしなければならない。
  5. ^ リーマン面を R と書いたり、その上の対数を logR と書くのはここだけのローカルな記号であって、一般に使用されるものではない

出典

  1. ^ a b c d e f g h Sarason 2007, §IV.9.
  2. ^ Conway 1978, p. 39.
  3. ^ 高木 1983, p. 196
  4. ^ Lang 1993, p. 121.
  5. ^ a b Ahlfors 1966. Section 3. 4.
  6. ^ Kreyszig, Erwin (August 16, 2011). Advanced Engineering Mathematics (10th (posthumous) ed.). Berlin: Wiley. p. 640. ISBN 9780470458365 
  7. ^ 高木 1983, pp. 240–241


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複素数の対数

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 05:35 UTC 版)

自然対数」の記事における「複素数の対数」の解説

詳細は「複素対数函数」を参照 0 でない複素数 z を極座標表示して z = r eiθ と書たとする対数関数指数関数逆関数なので log z = ln r + iθ ということになる(ln z と書くことはあまりない)が、この θ の選び方は一通りではなく 、2π の整数倍だけ異なる値を選ぶことができる。したがって、複素数の対数関数は多価正則関数である。 定義域制限することによって、その定義域の上では正則一価関数となるように θ の選び方を定めることができる。定義域は 0 を含まない単連結領域ならどれでもよいが、よく使われるのは複素平面から 0 と負の実数除いた領域であり、変数偏角を −π < θ < π の範囲にとる。このとき、r eiθ ↦ ln r + iθ によって正則一価関数得られる。この関数対数関数主値呼びLog z と書く(Ln z と書くことはあまりない)。 複素対数関数は、実数での対数関数満たす恒等式満たすとは限らないので注意が必要である。例えば、Log ez = z や Log (zw) = Log z + Log w は一般に成り立たない複素平面上で対数関数主値 z = Re Log (x +iy) z = | Im Log (x +iy) | z = | Log (x +iy) | これらを重ね合わせた図

※この「複素数の対数」の解説は、「自然対数」の解説の一部です。
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