複素数の平方根
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 00:42 UTC 版)
a が 0 でない複素数のとき、z2 = a を満たす複素数 z は2個存在する。a の極形式を a = r e i θ ( r > 0 , − π < θ ≤ π ) {\displaystyle a=re^{i\theta }\ (r>0,\,-\pi <\theta \leq \pi )} とすると、z の動径の2乗が r、z の偏角の2倍が θ であるから、 a = r e i θ / 2 {\displaystyle {\sqrt {a}}={\sqrt {r}}\,e^{i\theta /2}} と定義すると、これは a に対して一意に定まり、(√a)2 = a を満たす。これを a の平方根の主値(しゅち、principal value)という。この主値により定義される平方根函数 C ∋ z ↦ z ∈ C {\displaystyle \mathbb {C} \ni z\mapsto {\sqrt {z}}\in \mathbb {C} } は、実軸の負の部分を除くガウス平面 C の全域で至る所正則である。しかし実軸の負の部分上では連続でさえない。これを2枚のガウス平面を実軸の負の部分で張り合わせた平方根函数のリーマン面上で考えるならば、至る所解析的である。 ガウス平面上の平方根函数を色で示したもの。原点の周りを偏角が正の方向(反時計回り)に回って、実軸の負の部分を跨ぐときもう一枚のガウス平面へ跳ぶ(緑→緑)。 もう一枚のガウス平面上の平方根函数。こちらもやはり原点を正の方向に回ると、実軸の負の部分を境に最初のガウス平面に帰る(紫→紫)。 原点付近での平方根函数のリーマン面(2つのガウス平面を張り合わせたときの様子)平方根関数 Re z1/2ここで、z は複素数。
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