複素数の偏角とは? わかりやすく解説

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複素数の偏角

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/03 06:59 UTC 版)

複素数平面での複素数の絶対値 r, 偏角 φ

数学において、複素数偏角(へんかく、: argument of complex)とは、複素数平面上で複素数が表す点の動径が表す一般角のことである。複素数 z の偏角は記号で arg z で表す。偏角はラジアンで表す。

複素数を極形式表示することで、絶対値と偏角が得られる。これにより、複素数の乗除が簡明に行うことができる。

複素数に対する偏角は、2π の任意の整数倍を足す分だけ表し方がある。つまり、多価関数である。そこで表示を一意にするには、主値を決め、区間 (−π, π] などに制限する。

2π の任意の整数倍の差を除いて次の等式が成り立つ:

arg zw ≡ arg z + arg w
arg z/w ≡ arg z − arg w
(何れも mod 2π)

定義

偏角 φ の2つの選び方

複素数 z = x + yi偏角は、arg z と書かれ、正のから動径 Oz までの角度を反時計回りに測った角度である。弧度法で表示する。時計回りに測ると負になる。

複素数に対する偏角の表示を一意にするために、主値区間 (−π, π] に制限する。[0, 2π) にすることもある。

主値を (−π, π] にすると、逆正接関数 tan−1 を用いて次のように表せる:

1 + i(青点)の主値 Argπ/4 である。赤い線は分岐切断である。

主値 (−π, π] における偏角の値を、記号で Arg z(最初の文字を大文字)で表すことがある。表記には揺れがあり、argArg が文献によって逆になることもあることに注意。




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