被告側の証言
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 15:10 UTC 版)
公判開始5日目、ノーマは自身の弁護のために証言台に立った。ノーマはマーティンとブライアン、2人の殺害の両方について否定したが、反対尋問では、メアリーの攻撃的な傾向や子供に暴力を振るった過去がある点、2人の少年の殺害について話し合ったことを認めた。ルドルフ・ライオンスから、メアリーがどのようにして子供を殺したかをノーマに対して実演してみせたかどうかについて尋問されると、ノーマはうなずいた。そして、メアリーがブライアン・ハウを絞め殺し始めた際、ノーマはその現場付近で遊んでいた少年たちに警告を発しなかった事実を認め、「そもそも、何がどうなるのかを認識できなかった」「例の少年たちが(コンクリート・ブロックの)近くにいたとき、メアリーは首を絞めるのを一時的に中断していたんです」と述べた。殺人におけるノーマ自身の役割について尋問された際、ノーマは「(マーティンの身体には)一切触っていない」と明言した。 12月12日、ノーマによる証言の終了後、メアリーによる証言が始まった。メアリーによる証言はおよそ4時間に及び、12月13日に終了した。あるとき、メアリーが女性警官の腕の中で泣き始めたことで、審議は一時的に中断した。 メアリーはノーマによる証言の内容を否定した。聖マーガレット街道でマーティン・ブラウンの遺体を確認したが、自分はマーティンに危害を加えたことは無いし、遺体発見後にノーマと一緒にマーティンの母親に対して息子の遺体を確認するよう頼んだのは、「お互いに大胆不敵であり、臆病風に吹かれるのは嫌だったから」と主張した。メアリーはまた、マーティンの死について知っていることを他人に打ち明けた理由について、「こうすることで、ノーマは間違いなく刑務所入りまっしぐらになるから」とした。 ブライアン・ハウの死について尋問されると、メアリーは「ブライアンを絞め殺したのはノーマであり、自分ではない」と主張し、「ただ立って見ているだけでした。私は動けなかった。接着剤に引っ張られていたかのように」と述べた。その後、メアリーは以下のように主張した。 「ノーマは『お菓子が欲しいのなら、横たわりなさい』と告げてからブライアンを素手で絞め殺そうとしました。私はそれを止めさせようとしたのですが、防げませんでした」 メアリーはさらに、「ノーマの指先と爪が白く変色していた」ので、ノーマがブライアンの首に加えた圧力がどれほどのものだったかが分かった、と述べ、恐怖心と間違った忠義立てを理由に、ノーマの行為を当局に知らせなかったことを改めて認めた。 ノーマの母・キャスリンは、ブライアン・ハウが殺される数ヶ月前に、メアリーがノーマの妹・スーザンの首を絞めようとしている姿を夫と一緒に目撃し、夫がメアリーの肩を押しやり、メアリーは娘の喉元を握っていた手を離した、と証言した。 小児精神科医のイアン・フレイザー(Ian Frazer)は、ノーマの精神年齢は8歳10ヶ月であり、正邪を区別する能力は弱いが、告発された自身の行為の犯罪性については充分に理解している、と証言した。
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