藤並駅とは? わかりやすく解説

藤並駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/12 07:21 UTC 版)

藤並駅
西口(2010年9月)
ふじなみ
Fujinami
湯浅 (3.4 km)
(3.9 km) 紀伊宮原
和歌山県有田郡有田川町大字明王寺37-1
所属事業者 西日本旅客鉄道(JR西日本)*
所属路線 紀勢本線(きのくに線)
キロ程 347.3 km(亀山起点)
新宮から167.1 km
電報略号 ナミ
駅構造 地上駅橋上駅
ホーム 2面2線
乗車人員
-統計年度-
1,056人/日(降車客含まず)
-2022年-
開業年月日 1926年8月8日[1]
備考 業務委託駅
みどりの券売機プラス設置駅
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藤並駅
ふじなみ
FUJINAMI
(1.4 km) 田殿口
所在地 和歌山県有田郡吉備町明王寺
所属事業者 有田鉄道
所属路線 有田鉄道線
キロ程 0.0 km(藤並起点)
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
廃止年月日 2003年平成15年)1月1日
備考 無人駅
1959年4月3日までは海岸駅まで路線が存在。
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藤並駅(ふじなみえき)は、和歌山県有田郡有田川町大字明王寺にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)紀勢本線(きのくに線)のである。

現在は特急「くろしお」の一部が停車する(主に新大阪 - 白浜間を運転する停車型タイプ)。かつては有田鉄道有田鉄道線が当駅から出ていた。

歴史

藤並駅の場所には、元来有田鉄道の路線が敷設されていたものの、ここに駅は無かった。紀勢西線紀伊宮原駅から当駅までの延伸されたのを機に、当駅は1926年8月に開業した。有田鉄道は紀勢西線との接続を図って、同時に藤並駅を紀勢西線の駅の隣に開設したため、開業当初から有田鉄道との接続駅であった。

第2次世界大戦で日本の敗色が強まると、2つの鉄道が湯浅と藤並の間で並存しているという状況が好ましくないとされ、1944年12月に、有田鉄道の藤並駅から湯浅駅を経て海岸駅までが「不要不急線」として休止され、その後1959年4月に正式に廃止された。一方で、有田鉄道は1950年4月に、当駅から紀伊湯浅駅(現在の湯浅駅)までの紀勢本線への乗り入れを開始した。しかし信楽高原鐵道列車衝突事故発生後の1992年12月1日に、有田鉄道は紀勢本線への乗り入れを中止した。さらに、2003年1月1日に有田鉄道は廃止された。

2007年頃から駅舎の建て替え及びホームの延長、改良工事を開始した。2008年3月15日のダイヤ改正により当駅は特急停車駅に昇格し、新駅舎の使用も開始した。

年表

駅構造

藤並駅は相対式ホーム2面2線を有する地上駅である。ただし分岐器絶対信号機を持たないため、停留所に分類される。2008年に橋上駅となり、東西に出入り口ができ、東西両口は自由通路で連絡している。それ以前は和歌山方面行きホーム側(現在の西口側)に木造平屋建ての駅舎があり、反対側の御坊方面行きホームへは跨線橋で連絡していた。

当駅は御坊駅が管理し、JR西日本メンテックが駅業務を受託する業務委託駅であったが、管理駅の御坊駅が紀伊田辺駅の被管理駅となったことにより、現在は紀伊田辺駅が当駅を管理している。また、2021年7月1日に受託がJR西日本交通サービスに変更された。東口2階部分にみどりの券売機プラスと新型タッチパネル式券売機1台および改札口が設置されている。東西両側の1階に待合室が、東口2階にも展望待合スペースがある。東口の1階部分には有田川町観光案内所が設置されている。また有田川町では「絵本のまちおこし」を目指した取り組みを実施しており[5]、その一環として、西口2階には入館無料のちいさな駅美術館 Ponte del Sognoが有り、主に童話絵本の原画を1か月間区切りで展示している。

なお、廃止された有田鉄道のレールが放置されていたものの、駅改良工事の際に撤去された。その後、切符売り場・ホーム・安全確認用ミラーも撤去された。これらの跡地は、東口の駅前広場、駐輪場、有田鉄道線跡を利用したサイクリングロードの一部などに活用されている。

のりば

のりば 路線 行先
1 きのくに線 和歌山天王寺新大阪方面[6]
2 御坊白浜新宮方面[6]
  • 上表の路線名は旅客案内上の名称(愛称)で表記している。
  • 1・2番線ともに簡易自動放送が使用されている。

利用状況

近年の1日平均乗車人員は以下の通り[7]

年度 1日平均
乗車人員
1998年 1,328
1999年 1,295
2000年 1,263
2001年 1,261
2002年 1,277
2003年 1,280
2004年 1,262
2005年 1,221
2006年 1,221
2007年 1,178
2008年 1,243
2009年 1,227
2010年 1,278
2011年 1,267
2012年 1,340
2013年 1,397
2014年 1,334
2015年 1,357
2016年 1,384
2017年 1,357
2018年 1,345
2019年 1,261
2020年 1,058
2021年 995
2022年 1,056

駅周辺

駅前にはカラクリ時計が設置されていたが、撤去された。また、かつては藤並駅の近くに蒸気機関車D51 1085)が静態保存されていたものの、2010年2月に有田川町鉄道公園へ移設された。

バス路線

路線バス

高速バス

隣の駅

西日本旅客鉄道(JR西日本)
きのくに線(紀勢本線)
快速
湯浅駅 - 藤並駅 - 箕島駅
普通(阪和線内で直通快速または紀州路快速となる列車を含む)
湯浅駅 - 藤並駅 - 紀伊宮原駅

かつて存在した路線

有田鉄道
有田鉄道線
藤並駅 - 田殿口駅
かつては隣の田殿口駅との間に明王寺駅が存在した。

脚注

  1. ^ a b c d e f g 朝日新聞出版分冊百科編集部 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 no.25《紀勢本線・参宮線・名松線》、曽根悟 監修、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2010年1月10日、18-21頁。国立国会図書館書誌ID:000010646209 
  2. ^ a b c d 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』 II(初版)、JTB、1998年10月1日、380頁。 ISBN 978-4-533-02980-6 
  3. ^ 和歌山県内の特急 「くろしお」号停車駅で、ICOCAがご利用できるようになります!」(プレスリリース)、西日本旅客鉄道株式会社、2016年8月9日。2016年12月8日閲覧
  4. ^ a b 藤並駅 駅情報:JRおでかけネット”. 西日本旅客鉄道. 2019年3月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月12日閲覧。
  5. ^ 「絵本のまちおこし」に取り組む司書 杉本和子さん」『毎日新聞』2016年8月4日、地方版。オリジナルの2018年7月10日時点におけるアーカイブ。2018年7月10日閲覧。
  6. ^ a b 藤並駅|構内図:JRおでかけネット”. 西日本旅客鉄道. 2023年1月30日閲覧。
  7. ^ 『和歌山県統計年鑑』及び『和歌山県公共交通機関等資料集』[要文献特定詳細情報]

関連項目

外部リンク





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