航空業界への影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/01 20:05 UTC 版)
「欧州連合域内排出量取引制度」の記事における「航空業界への影響」の解説
2012年より欧州に乗り入れる各航空会社へ適用する計画だが、各航空会社及びアメリカ、中国、インド、ロシアなどの各国政府も反発しており、新たな国際間の摩擦となりつつある。 2011年6月に規制を巡り、アメリカ航空輸送協会とユナイテッド航空、アメリカン航空などが不服をイギリスの裁判所に提訴し、同裁判所は欧州司法裁判所へ法解釈上の意見に当たる「先決裁定」を求めていたが2011年12月22日に同司法裁判所は2012年からの同制度の適用について違法性はないと判断。 2012年1月にドイツのルフトハンザ航空は同制度による航空券の値上げを燃油サーチャージ追加して徴収する計画を発表。アメリカではデルタ航空が追加サーチャージを徴収し、他の米国航空会社も数社追随している。マレーシアのエアアジア Xは2012年3月末から順次、欧州線を休止することを発表。 2012年2月に中国政府・民用航空局は中国大陸の各航空会社に欧州連合(EU)が行う温室効果ガスの排出権取引について「政府が許可しないかぎり、取引に参加することを禁止する」との通達を出した。 2012年2月21日にロシアのモスクワで規制に反対している中国、米国、ロシア、インド、サウジアラビア、UAE、シンガポール、南アフリカ、ブラジル、アルゼンチン、日本を含む32カ国は協議を持ち、今回の規制に対し報復措置として欧州各国との航空協議の停止や欧州の航空各社に追徴課金、シカゴ条約第84条に基づきICAO規則による紛争解決の申立を行うなどを検討した模様でロシアは個別に欧州の航空各社のシベリア上空の飛行を制限することも検討していると発表。 2012年3月には中国当局は欧州製エアバス機の購入を控えるよう各航空会社に働きかけていて45機程度差し止められたことが判明し、エアバス及びヨーロッパの主要航空会社、航空関連企業が連名でイギリス、フランス、ドイツなどの欧州各国政府首脳へ書簡を送付し、排出規制をめぐる対立の解決を求めた。 2012年3月にインド政府は同国の航空会社に中国と同様に欧州連合(EU)が行う温室効果ガスの排出権取引について参加しないように要請する予定であることが判明。 2012年11月12日 EUのコニー・ヘデゴー欧州委員(気候変動担当)は2012年1月にEUが一方的に導入し、アメリカ、中国、インド、ロシアなどの各国政府が反発し、EUの国際的孤立を深めた航空機の温室効果ガス排出規制措置を次期ICAO年次総会が行われる2013年秋まで一年間、一時凍結すると発表した。
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