オートファジー
英語:autophagy
細胞が自らの成分を破壊・分解するはたらき。細胞質に含まれるタンパク質などをアミノ酸などに分解する。
オートファジーが行われる際、分解対象となるタンパク質などの成分を取り込む役割を持つ「オートファゴソーム」と呼ばれる小胞構造が細胞内に形成される。オートファゴソームの外側に「リソソーム」と呼ばれる一種の細胞内消化器官が付着・融合し、「オートリソソーム」と呼ばれる構造体が形成される。オートリソソームにおいて、オートファゴソームが取り込んだ成分をリソソームが消化するという過程を経てオートファジーが行われる。
オートファジーは正常な細胞の働きである。タンパク質を分解して再利用可能にし、細胞内で過剰に生産されたタンパク質を減らす、あるいは細胞活動を維持するための栄養が不足して飢餓細胞に陥った細胞へ栄養を回すなどの機能を担っていると考えられている。
オートファジーの働きや仕組みに関する研究は、1960年代、リソソームの発見者でありノーベル医学賞受賞者のド・デューブを中心に一旦は盛んに研究されたが、ほどなく研究の勢いは衰え、とりたてて注目されることは少なかったという。1990年代に大隅良典がオートファジーのはたらきを初めて観察することに成功、そのメカニズムを明らかにしていったことを契機として、オートファジーの研究分野は一挙に進展したとされる。
大隅良典の研究成果はオートファジーの研究においてブレイクスルーを実現したと評価されている。大隅は2013年現在、東京工業大学の特任教授を務める。2005年に藤原賞、2006年に日本学士院賞、2012年に京都賞を受賞している。
関連サイト:
オートファジー(自食作用) - 東京大学大学院 分子生物学分野 水島研究室
大隅良典 - 東京工業大学 教員紹介
じしょく‐さよう【自食作用】
読み方:じしょくさよう
自食作用(オートファジー)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 08:03 UTC 版)
「トリコ」の記事における「自食作用(オートファジー)」の解説
栄養飢餓状態に陥った生物が自らの細胞のたんぱく質をアミノ酸に分解し、一時的にエネルギーを得ること。グルメ細胞保持者はほんの僅かな絶食でこの状態に陥り、グルメ細胞が自らを食すことで生命の危機を回避するために肉体に超人的なパワーを発揮させる。しかしその状態が長く続けば自分で自分の細胞を食べつくして死亡してしまう。
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