経営悪化の末、産業革新機構の傘下に(2013年)
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「ルネサスエレクトロニクス」の記事における「経営悪化の末、産業革新機構の傘下に(2013年)」の解説
2000年代においては旧ルネサスとNECエレを合わせて毎年数千億円規模の赤字を計上しており(例えば2010年3月期の売上高は1兆1700億円に対して1378億円の赤字)、世界大手半導体メーカーでありながら自動車会社や電機メーカーに買い叩かれる「産業ピラミッドの最下層」と2009年の時点で評されていた。2010年にはNECエレとの統合により、売り上げ1兆円を超える世界最大のマイコンメーカーとなったが、やはり経営状態は良くなかった。 2011年3月期には統合時の公約通り営業黒字を達成したが(なお純利益は1150億2300万円の損失)、2011年3月には東日本大震災で主力の那珂工場が被災したことと、この頃よりスマホの普及で国内携帯電話機(ガラケー)向けチップが不振となり始めたこともあり、経営の見通しが立たなくなった。 2010年の設立時、ルネサスの母体であった日立・三菱・NECの3社から2063億円の支援を受けていたが、2012年10月には合理化資金として日立・三菱・NECの大株主3社と取引銀行からさらに計970億円を調達した。それでも経営の見通しは立たず、そのため、赤尾泰社長(当時)は外資のコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR、オランダのフィリップスが2006年に経営悪化で切り離したマイコン部門をNXPセミコンダクターズとして立て直した実績がある)への身売り話を進めたが、ルネサスが外資に買収されることで車載マイコンの安定供給に支障をきたしかねないと感じたトヨタが猛反発し、経済産業省に働きかけた結果、「日の丸半導体を守れ」の掛け声の下、ルネサスは2013年に国策投資会社である産業革新機構の傘下となり、産業革新機構・トヨタ自動車・日産自動車など9社で構成される官民連合から1500億円の支援と引き換えに、事実上国有化された。 その結果、産業革新機構が持株比率69.16%の筆頭株主となり、ルネサスの母体であるNEC・日立製作所・三菱電機の持株比率はいずれも6 - 9%に低下し主要株主でなくなった。
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