組み立て方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/13 03:01 UTC 版)
人間ピラミッドにはいろいろな組み立て方法がある。ここではブラジルのニテロイのチームが披露した瞬間起立四段ピラミッドを例にとって説明する。最下段が4人、二段目が3人、三段目が2人、四段目が1人で、四段目を持ち上げる補助が2人、計12人である。四段目は体重の軽いメンバーを、補助の2人は身長の高いメンバーを選ぶ。二段目の中央には大きな荷重がかかる。 最下段の4人は肘を立てつま先を下にして伏臥する。即ち、腹を下にして寝た姿勢をとる。4人はできる限り近づき少し脚を開く。二段目は最下段のメンバーの脚の間に足を置き、姿勢を低くして頭を下げて座る。手を最下段の肩甲骨の上に置く。この時に手の位置を正確に置かなければならない。ピラミッドが起立すると、もう修正はできない。三段目は二段目の肩甲骨のうえに手を置き、足は地面を踏んで、二段目と同様姿勢を低くして頭を下げて座る。二段目と同様に手を正しい位置に置く。最上段は三段目の肩甲骨の上に手を置き、姿勢を低くして座る。補助の二人は四段目の左右に位置し、両足で床を踏んで座り、四段目メンバーの太ももを両手で下から支える。この体勢で組み立てが完了し、起立の掛け声を待つ。 ピラミッドの起立は1, 2, 3の掛け声で行う。最下段は伏臥から四つんばいの体勢になる。このとき背中を丸めず尻を突き出して、背筋をまっすぐに伸ばす。背中を丸めると二段目以上が滑り落ち、ピラミッドは崩れる。頭を上げ斜め上方を見れば、背筋がまっすぐなる。下を見れば、背中が丸くなる。腕は肩から下に向かって垂直に位置させ、肘をまっすぐに伸す。一回の施行のみで間違いない姿勢をとらねばならない。ピラミッドが起立すると加重があるので、手の位置の再調整はできない。一度肘を曲げると荷重のためにもはや伸ばすことはできず、すべての重みがそのメンバーに集中しピラミッドはそこから崩れる。四つんばい姿勢をとると、両端のメンバーは体重をピラミッド中央に集中させ、二人の中央メンバーにわずかにもたれる。二段目は両足で床を踏みひざをまっすぐに伸ばして、自分の脚で自分とその上のメンバー体重を支える。最下段と同様に、頭を斜め上方に上げ、尻を突き出し背筋をまっすぐに張る。手の位置の再調整はできない。二段目が肘を曲げたり背中を丸めたりすると、ピラミッド全体が崩れる。起立すると二段目の両端のメンバーは中央のメンバーに軽くもたれ、体重を中央に集中させる。三段目は二段目の背中の上に跳び乗る。三段目には補助いないので自力で跳び上がる。しかし二段目の背中の高さは1.2mあるので、この高さまでは届かない。三段目が二段目と同時に跳び上がると跳躍高度が不足するので後方に滑り落ち、ピラミッドは崩壊する。そこで三段目は二段目が立ち上がる直前に跳び上がり、二段目がまだ低いうちにの背中に乗る。このためには、掛け声3のタイミングでは遅すぎるので、2のタイミングで跳ぶ。跳躍が遅れると二段目の背中に乗れないばかりでなく、四段目の重さに押しつぶされて、跳び上がり自体ができない。二段目の中央は三段目と頂上の加重を持ち上げて立ち上がるので、大きな力が必要とされる。三段目のメンバーはその高さのためか、しばしば肘を曲げてピラミッドを壊してしまう。頭を上げ肘と背中をまっすぐに伸ばし、二人が寄り添って体重を中央に寄せる。四段目は三段目の背中に跳び乗るが、高さが1.7mもあるのでまったく届かない。そこで2人の補助の力を得てこの高さまで到達する。補助は四段目の太ももを両手で持ち上げ、自らの足の力で立ち上がり、四段目を三段目の背中に乗せるまで運ぶ。三段目の背中は滑りやすいので、四段目の足を両手でしっかりと支える。以上の動作を間違いなくスムーズに行うと、観客からはピラミッドが自力で瞬間的に起立したように見える。実際には0.5秒から1.0秒の時間がかかる。 ピラミッドの分解はこの逆の順序で行う。三段目と四段目は最下段の足を踏まないように、下をよく見て飛び降りる。四段目はかなり高い位置から飛び降りるので、自分の体重を支えきれない場合がある。四段目は飛び降りて足が床につくと同時に後ろにもたれかかり、補助がそれを支える。このようにして、起立前の体勢に一瞬で戻る。 よく訓練されたグループでは、以上の動作を補助なしで行うことが出来る。三段目と四段目が同時に跳びあがり、最下段と二段目が持ち上げる。リオデジャネイロのグループは練習で成功している。この方法を五段ピラミッドの四段目に応用できれば、補助が五段目を頂上に乗せることが可能となる。香港の五段ピラミッドではこの方法が用いられた。
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