精度向上と電気動力化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 04:41 UTC 版)
機械式の腕時計には振り子の代わりとなるテンプが組み込まれており、その振動数が高ければ高いほど時計の精度は上がる傾向がある。並級腕時計のテンプは振動数が4 - 6回/秒のロービートだが、高精度型腕時計では8 - 10回/秒の多振動となっておりハイビートとも呼ばれる。現代の機械式時計のうちスイス製の多くはハイビートであり、また日本製でも上級品はハイビートが多い。ただしハイビート仕様とすると部材の疲労や摩耗が早まり、耐久性では不利である。 電池エネルギーで作動する腕時計はアメリカのハミルトンが開発し、1957年に発売した「ベンチュラ」が最初である。これは超小型モーターで駆動する方式で、調速の最終段階には機械式同様にテンプを使っていた。ボタン状の小型電池を使う手法は、以後の電池式腕時計に踏襲されている。 1959年にはやはりアメリカのブローバが音叉式腕時計「アキュトロン」を開発した。超小型の音叉2個を時計に装備して、電池動力で振動を与え、音叉の特性によって一定サイクルの振動を得る。この振動を直接の動力に、一方向のみへ駆動力を伝えるラッチを介して分針時針を駆動するものである。振動サイクルは毎秒360回とクォーツ腕時計登場の前では最高水準の精度であったが、ブローバが技術公開やムーブメント供給に積極的でなかったこともあり1976年には生産を終了している。
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