築地大学校とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 築地大学校の意味・解説 

築地大学校

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/24 23:54 UTC 版)

築地大学校(つきじだいがっこう)は、明治初期(1874年(明治7年) - 1876年(明治9年))に東京築地の新湊町に存在したクリストファー・カロザースが設立した英学学校「カロザースの築地大学校」(東京大学校)と、1880年(明治13年) - 1883年(明治16年)に築地居留地に存在した英学学校「J.C.バラの築地大学校」(Tsukiji College)[1]。前者は英米長老派の協働による学校、後者は米国長老派の単独による学校で、それぞれ米国長老派が運営に携わったが、別の学校である。どちらの学校も明治初期では最高レベルの学校で、カロザースの築地大学校からは都築馨六尾崎行雄などの明治時代に活躍した人材を育成した。カロザースの築地大学校は東京大学校とも呼ばれた[1]

歴史・概要

カロザースの築地大学校(東京大学校)

  • 1869年(明治2年)
  • 1870年(明治3年)- 築地居留地6番A宣教師館に、カロザース夫妻が居住[2]
  • 1871年(明治4年)- 築地入船に米国のカロザースが英学指導を目的とする私塾を開く。(1872年(明治5年)発行の『新聞雑誌』第69号において、勤学する者は通学或いは学舎を設けて英学を教授する旨を告知し、広く学生を募集した。)
  • 1872年(明治5年)
  • 1874年(明治7年)10月 - カロザースが従来の英語塾を拡大して、築地居留地に隣接する新湊町4丁目の借家で、寄宿舎付きの英学校である「築地大学校」(東京大学校)を設立[2]。英米長老派の協働による学校であり、米国長老教会からはカロザースとディビッド・タムソンが教師となり、スコットランド一致長老教会からはヘンリー・フォールズロバート・デイヴィッドスンヒュー・ワデルが教師となった。また、超宗派のエディンバラ医療宣教会セオボールド・パームも教師に名を連ねた[1]。カロザースの出身校ペンシルベニア州のワシントン大学に倣って化学と宗教を教えた。
  • 1875年(明治8年)- 同年5月20日付けのカロザースの書簡によると「生徒はおよそ内部生、外部生を合わせて約150名ほどおり、銀座長老教会の会員の多くがこの学校の生徒から出た」という(『七一雑報』1878年10月4日)。
  • 1876年(明治9年)- カロザースが官立の広島英語学校に赴任し、伝道会を辞任したことにより、「築地大学校」は閉校となった[3][1]

J.C.バラの築地大学校(バラ学校、ヘボン塾後身)

学科課程

第一年

  • 第一期 読本、会話及び訳読
  • 第二期 万国史、会話及び訳読
  • 第三期 万国史、会話及び訳読

第二年

第三年

出身者

カロザースの築地大学校出身[4]
バラの築地大学校出身
どちらの大学校か不明

脚注

  1. ^ a b c d e f 長尾 史郎,高畑 美代子「ヘンリー・フォールズ『ニッポン滞在の9年間 -日本の生活と仕来りの概観-』[第15章]」『明治大学教養論集』第564巻、明治大学教養論集刊行会、2022年9月、317-341頁、ISSN 0389-6005 
  2. ^ a b c d e f 明治学院大学2017年度アジア神学セミナー第9回(12月4日)
  3. ^ a b c d e 鈴木範久「立教大学校とカレッジ教育」『立教学院史研究』第5巻、2007年、2-16頁、doi:10.14992/00015286ISSN 18841848NAID 110008682386 
  4. ^ 明治学院大学 2017年度アジア神学セミナー 『「宣教師と日本の初期キリスト者たちの関係」旧日本基督教会を事例として』 中島耕二,秋学期第9回,2017年12月4日

参考文献

外部リンク





英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「築地大学校」の関連用語

築地大学校のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



築地大学校のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの築地大学校 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS