第2話「現場検証」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 05:41 UTC 版)
「チェルノブイリ (テレビドラマ)」の記事における「第2話「現場検証」」の解説
地元のプリピャチ病院には、放射性火傷を負った消防士たちが続々と運ばれてくる。核事故の対処法を知らぬ医師も居り適切な処置が行えないばかりか、強い放射能を帯びた防火服を廃棄するために地下室に運ぶ人々の手も放射線火傷で赤くただれる。 レガソフ博士は、ゴルバチョフ書記長も出席する閣僚会議の政府委員会に出る。タンクが爆発しただけであり弱い線量しか観察されないと報告され、知識の乏しい出席者は安堵する。しかしレガソフ博士は、グラファイト(黒鉛)片が散乱している以上、炉心が爆発して剥き出しとなり、放射性物質が放出されて周囲を激しく汚染している筈であり、測定された線量3.6レントゲンは一般的な線量計の測定上限だと指摘する。ゴルバチョフは見知らぬレガソフの場の空気を読まない発言に苛立つが、シチェルビナ副議長とレガソフに現地調査を命ずる。ヘリコプターで現地に急行した2人の目には、黒煙を噴き上げる原子炉、建屋の屋上に散乱するグラファイト片、放射性物質によりイオン化されて青白く光る大気などの光景が次々と目に入る。出迎えたブリュハーノフ所長とフォーミン技師長は炉心爆発を否定し、建屋の屋上に散乱しているのはコンクリート片であると虚勢を張るが、シチェルビナに問い詰められると返答出来ない。 現地に派遣された化学部隊を指揮するピカロフ大将が自ら建屋の近くまで装甲車を走らせ高濃度線量計で放射能を測定したところ、報告とは比較にもならない15,000レントゲンを記録し、原子炉の爆発以外あり得ないと確認する。ブリュハーノフとフォーミンは連行される。火災ではないため放水では消せないと聞いたシチェルビナは、レガソフに言われたとおり、炉心溶融物を封じ込めるための5,000トンのホウ素と砂(ケイ素)の調達に動き出す。ヘリコプターからの投下作業は、1号機が墜落したものの、続く20回の投下に成功する。火災は沈下に向かい、放射性物質の放出は減少し始める。意気込むシチェルビナに、レガソフは、近隣住民の避難が不可避であることと、既に自分たちが5年も生存しない量の被曝をしたことを告げる。諸外国が原発事故を知るところとなって、ようやく近隣住民の避難が開始される。 一方、約300キロ離れたミンスクの職場で異常な量のヨウ素131(ウラン235の核分裂生成物)を検知してから独自のルートで情報収集して事故の発生と規模を掴んだ白ロシア原子力研究所のウラナ・ホミュック博士は、直ちにチェルノブイリに急行する。シチェルビナとレガソフに、消防車の放水に由来する汚染水で溢れる地下貯水槽に炉心溶融物が流れ込み、核爆発に匹敵する規模の水蒸気爆発が発生するまで2日もないと告げる。ヨーロッパ全土の核汚染につながる大惨事を回避するには、建屋の内部構造に詳しい技師3名が炉心直下の地下タンクに入り、仕切弁を手動操作して排水しなければならない。被曝死が避けられない作業だが、シチェルビナの言葉に意気に感じた3人(アナネンコ、ベスパロフ、バラノフ)が名乗りを上げる。防護を施したウェットスーツに身をつつんで地下貯水槽に入り込むが、線量計ががなり立てる中、放射能の影響で懐中電灯が次々と消えていき、漆黒の闇の中に取り残される。
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