第二篇 ブロブディンナグ国渡航記
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 09:55 UTC 版)
「ガリヴァー旅行記」の記事における「第二篇 ブロブディンナグ国渡航記」の解説
1702年6月20日 - 1706年6月3日 第二篇では、ガリヴァーは、あらゆる物が巨大な、巨人の王国ブロブディンナグ国に上陸するなど、リリパット国でのガリヴァーの冒険とは正反対である。他の全国民が大きい一方で、今やガリヴァーは小人である。ガリヴァーを捕まえた身長60フィート(約18メートル)の農夫は、最初はガリヴァーをサーカスの見世物のように見せて回り、次いでブロブディンナグ国の王妃に売り飛ばす。王妃は、ガリヴァーに大いに愛着を寄せ、住居として人形の家のように家具を備えた木箱を与えるなどして、ある種の愛玩動物か人形のようにではあるが、非常によく待遇する。ガリヴァーは、おもちゃとして扱われていることに気付いておらず、リリパット国への渡航記でのように、彼自身は実際の境遇より遥かに重要な存在であると考えている。 ガリヴァーが王妃の歓待を受ける際、しばしば宮廷の女官達がガリヴァーを訪問する。ガリヴァーを性的なおもちゃ扱いしたブロブディンナグ国の王妃付きの女官たちがいかに不潔で不道徳であるかを繰り返す記述は、スウィフトが女性に対して抱く嫌悪感を伝えている。 ブロブディンナグ国の国王もこの奇妙な生物に関心を抱き、イギリスの社会、戦争、司法、金融制度に関わるあらゆる事柄をガリヴァーから聞き出す。国王に詳細な質問を行わせることで、スウィフトはイギリスの諸問題を露わにし、イギリスで施行されていた政策に批判を加えている。火薬の製法を教示しようというガリヴァーの提案は、ブロブディンナグ国の国王を特に戦慄させ、人類はかつて地球上に置かれた最も哀れな種族であるという思慮を国王から導き出す。 領地への巡行の際に、一羽の鷲がガリヴァーの住む木箱をさらい取って大海原に落とし、遠洋でイギリス船に発見されたガリヴァーは祖国へ帰還する。 なお、『ガリヴァー船長から従兄弟シンプソンへの手紙』では、ブログディンナグはスペルミスで、ブログディンラグが正しいと記されている。
※この「第二篇 ブロブディンナグ国渡航記」の解説は、「ガリヴァー旅行記」の解説の一部です。
「第二篇 ブロブディンナグ国渡航記」を含む「ガリヴァー旅行記」の記事については、「ガリヴァー旅行記」の概要を参照ください。
- 第二篇 ブロブディンナグ国渡航記のページへのリンク