第二次マグ・トゥレドの戦い
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「マグ・トゥレドの戦い」の記事における「第二次マグ・トゥレドの戦い」の解説
『第二次マグ・トゥレドの戦い』として知られる二つ目のテクストは、「マグ・トゥレド最後の戦い」「北マグ・トゥレドの戦い」と呼ばれることもある。これは、アイルランドを征服したトゥアハ・デー・ダナンが、フォモール族の圧力に屈し、そして解放のために戦争を起こすにいたる経緯が書かれている。このテクストは『アイルランド来寇の書』やアイルランドのさまざまな年代記にある戦争の記述を大きく膨らませており、かつてのアイルランドの神々の物語に関する最も豊かな資料の一つとなっている。16世紀の写本として発見されたが、作品自体は9世紀の素材をもとに12世紀に編纂されたものと考えられている。 テクストは第一次の戦いの概略から始まる。ヌアザの腕の喪失とブレスへの譲位、そしてブレスがトゥアハ・デー・ダナンのエリウとフォモールのエラハの間に生まれたことが語られる。王となったブレスは、自らの血縁のためにトゥアハ・デー・ダナンを抑圧する。高貴な血筋のものを卑しい仕事に就かせたり、重い年貢を課したりするなど、王にふさわしい寛大さを示すことがなかった。彼は弾劾され、医神ディアン・ケヒトによって銀の腕を(そしてディアン・ケヒトの息子ミアハによって肉の腕をも)取り戻したヌアザが復位する。ブレスは王位を取り返すためにフォモールに助けを求め、父エラハからは拒否されるものの、別の指導者である邪眼のバロールが助力し、大軍勢を送る。そのころ、もうひとりのトゥアハ・デー・ダナンとフォモールの混血であるルーがヌアザの宮廷に到着する。ルーは王ヌアザに数々の才能を見せつけ、軍勢の指揮権を得る。戦争でヌアザはバロールに殺されるが、そのバロールの孫であるルーが、スリングでバロールを討つ。スリングが魔眼を撃ち抜き頭を貫通したために、フォモール族は大損害を被る。ブレスはこの大惨事を生き延びて、トゥアハ・デー・ダナンに農耕を教えるという条件で助命された。最後に、ルーとダグザとオグマの3人が、退却したフォモール族によって奪われていたダグザの竪琴を取り返す。
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