競走馬の脱走・逃走
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 04:35 UTC 版)
先述の通り、厩舎と競馬場の間を馬運車ではなく徒歩で移動するため、1991年(平成3年)以降、競走馬が脱走・逃走するなどの事故が15件以上、さらに競走馬と乗用車が衝突してしまう事故が7件以上起こっている。 2013年(平成25年)2月20日1時45分頃、スイート(牝6歳)が装鞍所で調教されていた際に他の競走馬が暴れる姿に興奮、逃走し走行中の軽乗用車と正面衝突した。運転手の男性にケガはなかったが、スイートは左前脚の付け根を負傷し予後不良となった。同年3月10日にも乗用車との衝突事故が起こっている。4月26日、第5レースに出走予定だったミッキーオスカー(牡4歳)が脱走し、約10km走り抜け各務原市内の公園で保護された。第5レースは2番人気であったミッキーオスカーを除外した8頭で行われた。10月28日3時5分頃、コスモビジョン(牝2歳)が場内コースで調教されていた際に突然暴れだし逃走、約300m東の堤防道路で走行中の軽乗用車に正面衝突した。運転手の男性とコスモビジョンが死亡したほか、軽乗用車が対向の乗用車にも衝突して運転手の男性がケガをした。当時、装鞍所出入口の男性パート警備員が業務日誌の手直しのため持ち場を離れており、鉄柵は開放状態で、置き柵などの放馬対策も機能しなかったという。その年4回目の脱走であり、開催を自粛し名古屋競馬は開催日程を変更することになった。その後、11月18日から4週間ぶりに開催されたのに伴い、警備員の増員や非常サイレン増設に当面は月に一度、競走馬の逃走を想定した訓練を実施するなど再発防止策が行われた。翌2014年(平成26年)10月7日に男性パート警備員が業務上過失致死傷容疑で岐阜地検に書類送検された。警備会社や、笠松競馬場を管理する県地方競馬組合については、サイレンの設置や監視態勢の強化などの事故防止策を講じていたことから、立件は見送られた。 2019年(令和元年)6月12日9時45分頃、厩舎に帰厩途中の4歳牡の競走馬1頭が車のエンジン音に驚いて暴れ、厩務員の手綱を切って逃走した。車両通行のため開いていたゲートから公道に出たものの、約5分後に住宅地で確保され、人馬にケガはなかった。前述の2013年(平成25年)の事故も含め、度重なる放馬事故を受けて、岐阜県地方競馬組合は同月17日に厩舎入口に従来の遮断機に加え、横に開閉する伸縮型のアルミ製フェンスと鉄製バリケードを設置し、組合職員や警備員らによる対応訓練が行われた。なお、県競馬組合は「事故の再発防止対策を徹底するため」として予定していた同月18日から21日の競馬開催を自粛した。
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