穴内川発電所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/07 08:30 UTC 版)
ダムに付設する穴内川発電所は最大出力12,500キロワットの揚水発電所で、可動羽根斜流(デリア)ポンプ水車を日本で初めて導入。穴内川ダムを上池、下流の繁藤ダム(重力式コンクリートダム、小堰堤)を下池として利用している。 さらに繁藤ダムから四国山地を越えて国分川へ発電用の導水がされている。国分川には調整池として休場ダム(重力式コンクリートダム、18.0メートル)が1963年(昭和38年)に建設され、ダムに導水された水は平山発電所に送水され、発電される。平山発電所は高知県で初めて稼動した水力発電所で、完成当時は1,080キロワットの認可出力であった。当時は香美郡・長岡郡への灌漑目的に江戸時代建設された甫喜峰(ほきがみね)疏水路を利用して発電していた。その後穴内川発電所建設を機に改築され、この際認可出力が41,500キロワットと大幅に増強された。なお、この甫喜峰疏水路は土佐藩執政としてかんがい・治水事業に功績のあった野中兼山が指揮を執って建設したものである。 通常は発電にしか使用されない貯水池であるが、穴内川ダム建設時に四国電力は徳島県と渇水時利水協定を結んでおり、ダムの計画容量4660万トンに対し、760万トンの水量を緊急放水用として常時保持し、徳島県の要求があれば毎秒2.0トンの水量を放水することになっている。近年では、 2005年(平成17年)の吉野川大渇水においては深刻な水不足に悩む徳島県の要請を受けた四国電力は、前述の協定通りにダムからの放流を行ったことがある。
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