秋葉原北部トンネル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/22 04:51 UTC 版)
「第1上野トンネル」の記事における「秋葉原北部トンネル」の解説
秋葉原北部トンネル区間は、大成建設が土木工事を担当した。この区間は、在来線の高架橋の下にトンネルを構築するもので、トンネルに支障する既存の基礎構造の代わりとなる新しい基礎を造りなおして、上部構造物の重量をそちらに受け替えた上で、従来の基礎を撤去する、アンダーピニングと呼ばれる工事を行った。アンダーピニングの対象となるのは、京浜東北線の南行と留置線3本を載せた高架橋で、フラットスラブ形式、ビームスラブラーメン形式、壁式ラーメン形式の3種類から構成されている。また西側に山手線外回り、内回り、京浜東北線北行の3線が通る単純スラブ式高架橋が隣接している。これらの高架橋の下、地表面下10.5メートルから23.0メートルの位置に箱型ラーメン形式のトンネル躯体を構築した。トンネルの標準断面は、内部の幅で9,560ミリ、高さ7,450ミリある。 アンダーピニングでは通常、添梁や受桁を構築して上部構造物の重量を受け替えるが、秋葉原北部トンネルではその代わりにPCスラブを用いた点が特徴となっている。アンダーピニングの工法選定に当たっては、添梁・受桁方式、PCスラブ方式、鋼管杭方式、上層梁工事桁仮受け方式の4種類を比較検討し、作業スペースとして在来高架橋下を広く有効利用できることや、杭打ちより先にPCスラブを施工するために不等沈下に対する防護ができることなどから、PCスラブ方式が採用された。 施工の手順はまずトンネルの両側になる部分に土留となる直径800ミリの柱列TBH杭を深さ28メートルまで打ち込む。この際に東側は一部区道16号線にはみ出して工事が行われている。続いて、在来高架橋のフーチング(地中に埋められている基礎の底板部分)を露出させるまで掘削し、フーチング全体を囲うようにPCスラブを施工する。このPCスラブの上から直径1,270ミリの場所打ち杭2本を深さ13メートルまで、直径1,500ミリの場所打ち杭1本を深さ28メートルまで打ち込む。このPCスラブの下を掘削して、既存の杭基礎を撤去し、トンネル躯体上面となる部分を施工して高架橋の橋脚との間をコンクリートで埋める。両側の土留杭を支える横方向の支保工を組み立てながら、躯体上面より下部を掘削していき、トンネル躯体を下部から順に構築する。躯体完成後に隙間をコンクリートで埋め、躯体内を通っていた直径1,500ミリの場所打ち杭を撤去して完成となった。
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