社会思想
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社会思想(しゃかいしそう、英: Social thought)とは、社会についての思想的考察を指す。
- ^ 河合栄治郎「社会政策原理」『河合栄治郎全集』第3巻、302-303頁。
- ^ 青木育志は河合のモデルを修正し、発展させている。その要点は③社会思想を③A国家の経済政策と③B個人の行動との二つに分けることである。こうすることにより、ソ連社会主義とイギリス労働党政権との違いが鮮明になるからである。前者は③A=社会主義、③B=従属主義であり、後者は③A=社会主義、③B=個人自由主義である。青木育志『河合栄治郎の社会思想体系』春風社、2011年、61-62頁。
- ^ マルクス主義やそれに近い筋も大筋四要素を認めている。ただし、①「世界観・哲学」は社会思想とは別個であり、広義の社会思想は②「現存社会の分析・解剖」、③「社会思想」、④「政治思想」の三要素とする考えが強い。穂積文雄は河合用語の「現存社会の分析・解剖」を「現実の社会に存在する欠陥の認識」に、「社会思想」を「現実の社会を超えた理想の社会のビジョン」に、「政治思想」を「前二者をつなぐ架け橋」「理想ビジョン実現の道」に言い換えている。穂積文雄『近代社会思想史』ミネルヴァ書房、1965年、26-27頁。
- ^ 日本のマルクス主義政党は二十世紀最後半において、用語を変更し、主として政治思想を変更しているかに見えるが、マルクス、エンゲルスがどう考えていたかの立場から分析すれば、こうならざるをえない。河合栄治郎「社会政策原理」『河合栄治郎全集』第3巻、339-404頁。青木育志『河合栄治郎の社会思想体系』春風社、2011年、164-166頁。
- ^ 河合はイギリス労働党の思想はトーマス・ヒル・グリーンの流れを汲んで、ほとんどが理想主義的原理に立つとしたが、現実にはハロルド・ラスキやバートランド・ラッセルなど現実主義的原理に立つ者もいる。このことを指摘したのは何人かいるが、最近では青木育志である。青木育志『河合栄治郎の社会思想体系』春風社、2011年、126-127頁。
- ^ 河合栄治郎「社会政策原理」『河合栄治郎全集』第3巻、423-439頁。
- ^ 河合の社会思想史としての著作としては、次がある。『社会思想史研究第一』(1923年)『トーマス・ヒル・グリーンの思想体系』(1930年)『社会思想家評伝』(1936年)『英国社会主義史研究』(1938年)などがある。それぞれ『河合栄治郎全集』第3巻、第1-2巻、第7巻、第5巻に収録。
- ^ 高島善哉、水田洋、平田清明『社会思想史概論』岩波書店、1962年、4-7頁。
- ^ この立場では、社会科学者が考える社会像の歴史ということになりかねない。極端に言えば、社会科学史である。社会科学者でない者が社会について考えたことは考察の対象外になる。ちなみに新明正道は社会学者である。
- ^ この立場では、哲学史で論ずべきもののうち、社会についての部分のみを集めた、哲学史の一分野となる。ちなみに淡野安太郎は哲学者である。
- ^ 第一としたのは後に第二の著作を予定していたからである。この書の内容はイギリスの一定時の社会思想である。つまりアダム・スミスからJ・S・ミルに至る時期のみを扱っている。
- ^ 本書は副題にもあるとおり思想の社会史である。
- ^ 本書は自由主義、マルクス主義にまったく触れていない。
- ^ 本書は副題にもあるとおり、有名な哲学者、社会科学者の社会観、社会像を史的展開している。一種の社会科学史となっている。
- ^ 本書は副題にあるとおり正義論の歴史となっている。
- ^ 本書は類書にはなくキリスト教の観点から描いている。
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「社会思想」の続きの解説一覧
- 1 社会思想とは
- 2 社会思想の概要
- 3 社会思想史で採り上げるべき事項
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