砂漠化の主な種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/30 14:31 UTC 版)
砂漠化の過程は砂漠化が進行している地域によってそれぞれ異なるが、主なものとして土壌流出、塩性化、飛砂がある。 土壌流出 有機物などの養分を含み農作物が育つことのできる土壌が雨や洪水などにより流出すること。風化が進んでいない基盤が露出し保水性も失われる。インドや中東、黄土高原などで見られる。また、雨量が多い地域での焼畑農業なども、保水植生が失われるために同様の過程を経る。 塩性化 土壌中における塩類濃度が上昇し、植物が育成できなくなること。 塩類を含む水が土壌から外部へ流出する量よりも蒸散量のほうが多い場合に塩類の地表への上昇によって発生する。塩類に富む客水で灌漑でもたらされる場合と、もともとの塩類土壌が表面から水だけが蒸散することにより深部から上ってくる場合とがあるが、いずれも土壌表層に塩類が滞留(塩類集積)してしまう。 塩類集積が進行した地面はコンクリートに近い性質を持つため農作業にも困難をきたす。そのためしばしば耕作や放牧、土地利用そのものが放棄されることがある。アラル海周辺など中央アジアのステップ開発地帯のいくつかで見られる。 流砂、飛砂 周辺にあった砂丘から砂漠ではない地域に砂が流れ込み、表土を覆ってしまって砂漠の一部としてしまうこと。この場合は表層の砂を除去することで再生は比較的容易であるので、防砂が主な対策となる。オーストラリアで顕著だが研究も進んでいる。 自転軸の移動 サハラ砂漠の場合、かつては緑あふれる土地だったが、およそ2万5,800年周期で発生する地球の歳差運動により地軸が回転し、5,000年前に降雨地域が南に移動したことによりサハラが乾燥し始めたことが原因とされる。
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