石斧あり幾夕焼の柄の細りとは? わかりやすく解説

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石斧あり幾夕焼の柄の細り

作 者
季 語
季 節
夏 
出 典
前 書
 
評 言
1965年大阪開催され日本万国博会場跡に、日本民族博物館がある。その民族学博物館を『一粒』の仲間吟行出掛けた時、堀葦男先生作られ俳句である。
 先生との吟旅は、お互いに忙しい身(先生棉花会館専務私たち電通ということもあり、一泊二日多かった浜名湖伊勢能登倉敷備中高梁小豆島紀伊勝浦越前大野近江八幡伊賀上野松阪松江京都・奈良近辺社寺等枚挙に暇がない。それが先生俳句を「かたちで書く」という基本姿勢を、私たち伝え手段だったと今にして思われる。「俳句机上で、考えるものではない。歩いて授かるものだ。」というのが先生口癖だった。 
 先生俳句談義俳文学に留まらない。A.HuxleyやT.S.Eliotに始まる英国詩人たちに纏わる詩学講義歌舞伎黙阿弥台詞詠唱など、談論風発まことに止まるところを知らぬ吟行句会となることが常であった殊に漢文学造詣深さ至って計り知れぬものをお持ちであった。その文学対す挑戦姿勢その作品激しく刻まれているというのが、先生慕って已まない私たち率直な感想である。
若年期の句(『火づくり』中心
  沼いちめん木片かわき拡がる慰藉
  ぶつかる黒を押し分け押し来るあらゆる
  沖へ急ぐ花束はたらく岸を残し
熟年期の句(『機械』残山剰水』『山姿情』『過客』『朝空』より)
  落花いま紺青の空ゆく途中
  笄の照るや無月海の底
  花ひと木鎮まりの白を湧かす
  枇杷照るや天は地よりも乱れつつ
  今生はらから照り合え
  生まるうなづく瀬のほとり
 壮年期造形的な作品熟年期の完成され作品との相違誰しも思議とさえ思われるかも知れない。私は先生熟年期の作品が大好きである。共通の場がそこには秘められた気がするからかも知れない。  
 
評 者
備 考
 



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