着付けと趣味の判定者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/19 14:57 UTC 版)
「ジョージ・ブライアン・ブランメル」の記事における「着付けと趣味の判定者」の解説
ブランメルは毎日服装を整えるのに2時間をかけたという。18世紀の終わりにイギリスに始まった紳士服の規準を創ったとされる。上衣は体にフィットし、乗馬に適しているというイギリス紳士の条件にブランメルは従っていた。ドイツ風長靴に長ズボンか、仔鹿革の短ズボンの上に折り返しつきの長靴。昼間はホイッグ党員風の黄褐色の上衣、夕方からは合わせボタンの青い上衣に白のチョッキ、ぴったり身にあった黒の長ズボンに、縞の絹靴下、シルクハット。飾りといえば細い時計の鎖一つ。香水は用いない。 ブランメルを有名にした着付けの技法としては、頸布(Neck-Cloth)がある。シャツに大きな襟を取りつけ、ネクタイには柔らかく弛んだモスリンの代わりに糊づけした布地を用いた。その白いネクタイは1フィート(30.48センチメートル)もの長さがあった。襟をほどよい大きさに折り曲げ、下顎で徐々にネクタイを押さえつけてへこませながら、首の回りに高々と結びつけるやり方は、当時の伊達男たちが競って真似をしようとした。ブランメルのお洒落は決して派手ではなく、むしろ地味である。彼のよく知られた寸言に「街を歩いていて、人からあまりじろじろと見られているときは、君の服装は凝りすぎているのだ」というのがある。 バイロン卿はブランメルを非常に高く評価しており、「19世紀の三偉人」を格付けして「バイロン自身が3位、ナポレオンが2位、ブランメルが1位」だとした。バイロンの出自は貴族で様々な優位を生まれながらに得ていたが、ブランメルにはそのようなものはなく、ただ自らの個性だけで人々のファッションを支配していたという比類なき自己創造力の持ち主と見ていた。全くの都会人で、服装が乱れるという理由でスポーツは軽蔑していたといわれている。 ジュール・バルベー・ドールヴィイ『ダンディズム、ならびにジョージ・ブランメルについて』をはじめとしてヴァージニア・ウルフ、ジャック・ブーランジェなどの作家がブランメルについて書いている。日本では生田耕作が『ダンディズム~栄光と悲惨』(中公文庫)でブランメルについて詳しい紹介をしている。他に、山田勝著『ブランメル閣下の華麗なダンディ術―英国流ダンディズムの美学』(展望社)など。
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