県出先機関の配置問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/26 16:29 UTC 版)
南予地方という呼び方は便宜的なものであるが、上記のように帰属する市町(愛媛県内に村はなくなった)が明確であり、従ってどの市町村に属するかが東予・中予・南予のいずれに帰属するかを示している。 こうした関係に微妙に影響を与えているのが、県の出先機関(地方局)の配置(より正しくは、統廃合)問題であった。 愛媛県内では市町村合併が進んだ結果、2003年3月まで70市町村あったが、2005年8月現在で20市町村へと激減した。このため、行政改革の見地から県の出先機関の整理統廃合が課題となった。この問題について、2006年11月に愛媛県当局は地方局を本局と支局とに再編する方向を明らかにし、再編案は知事選挙、県議会議員選挙の済んだ2007年8月に発表された。 特に論議を呼んだのが、八幡浜と宇和島と二つの地方局を抱える南予地域である。二つを一つに、どちらかが「本局」になることが想定されたが、その扱いをめぐって論議が起きた。問題を複雑にしたのが、大洲市と喜多郡(内子町の一町のみ)が、松山市を含む中予管轄を希望したことである。これら2市町はそれまでは八幡浜管轄であった(明治期には「中予」であったというのも一つの論拠となっていた)。さらに、内子町の一部の旧・小田町は合併前は中予地域に属する上浮穴郡の一つの町であり、中予に含まれることに違和感は少ないとされた。 これまで、さまざまな地域を抱えながらも、何とか心理的にも一体感を保ってきた南予が、大きく分裂するということも意味した。なお、同様の問題が、西条と今治の2地方局を有する東予地方にもあった(こちらはカバーする市町が2になってしまった今治が劣勢)。 宇和島市と八幡浜市がそれぞれ地方局の残存(本局・支局への再編案に従うと本局化)を主張したが、それぞれの根拠を紹介する。 宇和島説の論拠各市町庁舎からのアクセスが八幡浜より有利。 将来の四国における道州制導入を見据えた場合、高知県側も含めた四国西南地域を管轄する拠点となりうる。 八幡浜説の根拠面積・人口ともに宇和島地方局管内を上回る。 四国電力伊方原子力発電所があり、危機管理上も特段の配慮が必要。 八幡浜港及び三崎港から九州と結ぶ航路があり、西四国の交通の拠点のひとつである(宇和島港からの九州航路は廃止され、現在はない)。 ※市町村コード順では、宇和島市が先。
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