盾章 (たてしょう、ドイツ語 : Ärmelschild )はナチス・ドイツ で制定されていた勲章の一種である。第二次世界大戦 中、特定の地域での作戦に参加した軍人を対象に授けられた。意匠は統一されておらず、下図のようにさまざまである。
佩用する際は軍服上衣の左上腕に付けた。
制定された盾章
正式に授与された盾章
正式には授与されなかった盾章
名称
制定年月日
概要
授与総数
授与対象
画像
ラップランド盾章
1945年 2月~5月
1944年 10月1日 から1945年 4月25日 まで行われたラップランド戦争 を対象戦役とした。第20山岳軍 が中心となって制定されたが、終戦直前に生産され始めたため授与には至らなかった。
不明
ドイツ国防軍陸軍 ドイツ国防軍海軍 ドイツ国防軍空軍
バルカン盾章
制定されず
1944年から1945年にかけて行われたバルカン戦線 (第二次世界大戦)を対象戦役とする予定だった。
なし
ドイツ国防軍陸軍 ドイツ国防軍空軍
ブダペスト盾章
制定されず
1944年 12月29日 から1945年 2月13日 まで行われたブダペスト包囲戦 を対象戦役とする予定だった。
なし
ドイツ国防軍陸軍 ドイツ国防軍空軍
ダンケルク盾章
1944年 9月4日
1944年に行われたダンケルク要塞攻防戦を対象戦役とした。制定はされたものの正式に製造・授与されたわけでは無く、現場の指揮官が周囲の金属をかき集めて独自に製造した。
約12.000~15.000
ドイツ国防軍陸軍 ドイツ国防軍海軍
ロリアン盾章
1944年
1944年に行われたロリアン攻防戦を対象戦役とした。制定はされたものの正式に製造・授与されたわけでは無く、現場の指揮官が周囲の金属をかき集めて独自に製造した。
約10.000~12.000
ドイツ国防軍陸軍 ドイツ国防軍空軍
メーメル・ネマン川戦線盾章
制定されず
終戦直前に行われたメーメル・ネマン川戦線での戦闘を対象戦役とする予定だった。
なし
ドイツ国防軍陸軍 ドイツ国防軍空軍
スターリングラード盾章
制定されず
1942年 6月28日 から1943年 2月2日 まで行われたスターリングラード攻防戦 を対象戦役とする予定だった。制定の話が持ち上がった時、攻防戦の指揮を執っていたフリードリヒ・パウルス 装甲兵大将に「気が早い話だ」と一蹴され頓挫した。
なし
ドイツ国防軍陸軍 ドイツ国防軍空軍
その他
1957年 に制定された勲章法に基づき、ハーケンクロイツ を削り取ったものであるならば佩用が認められた。
関連項目
参考文献
Kurt-Gerhard Klietmann: Auszeichnungen des Deutschen Reiches. 1936–1945. Motorbuch-Verlag, Stuttgart 1981, ISBN 3-87943-689-4 .
Adolf Schlicht, John R. Angolia: Die Deutsche Wehrmacht. Uniformen und Ausrüstung 1933–1943. 3 Bände. Motorbuch-Verlag, Stuttgart 1992–1995.