白シャツ編
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/22 22:14 UTC 版)
第三部8-13話(2巻)。それまでの長編とやや異なり、1編2話構成で3編展開される。 プロイエッティ ミラノのシェフ。白シャツ編のきっかけとなる。第三部8・9話の登場人物。 ミラノに店を構える世界的に有名な三ツ星シェフ。厨房の皇帝の異名を取り、プロ意識が高い。料理の腕もさることながら、オンもオフも身だしなみに気をつけており、特にブルーのナポリシャツを長年愛用している。ボンピエリとも旧知の仲。東京出張に際して随行させる弟子を決める際、ブルーシャツで自分に阿る弟子が多い中で、織部の働きで白シャツを来た弟子に目を止め、その服装を気に入る。ところが、ボンピエリからそれが特急仕事を行っている日本人仕立て屋の働きと知ると、へそを曲げ(特急仕事はプロ仕事の美意識に反する)、白シャツ編のきっかけとなる。 当初は織部に敵対心を抱いていたが、実はかつて夏の日本での仕事でカラーシャツゆえの失敗をしたことがあり(汗だくとなり洒落者としての醜態を晒した)、白シャツへの興味から最終的には織部に仕事を依頼する。 コーエン ニューヨークのトラベルコーディネーター。第三部10・11話の登場人物。 実直なアメリカ人ビジネスマン。とあるハリウッドセレブの南イタリアでのハネムーンを請け負うも、アメリカのビジネスマンらしい白シャツが肩苦しいと現地の不興を買い、織部に助けを求める。本来的にはフォーマルな場で着用される白シャツで、洒落者のイタリア人を納得させるという目的で話が展開される。地元のマフィアのバカンス日程と被ったり、顧客のハリウッドセレブの我儘ぶりによる日程の変更でスタッフが怒るなど、苦労する。 丸山 日本の雑誌社の編集者。第三部12・13話及び第三部2巻収録の特別編「禊の白褌」の登場人物。 売れっ子小説家のニッコライの担当の青年。ニッコライから原稿を受け取るためにイタリアへとやってきたが、締め切りを過ぎても原稿を完成させない彼に業を煮やす。しまいにはその日本人らしい白シャツ黒靴という恰好にケチをつけられ、白シャツ黒靴で自分を納得させる着こなしを見せろと難題をふっかけられて織部を頼る。その後、織部によってニッコライの鼻をあかすが、今度はノーネクタイパーティに白シャツ黒靴というさらなる難題を課される。 ニッコライ イタリア人小説家。第三部12・13話の登場人物。 売れっ子の小説家。イタリア人らしい気質で、仕事は怠けがちで美女には甘い。締め切りを過ぎても仕事をサボろうとするが丸山には通用せず、最終的にその日本人らしい服装(白シャツ黒靴)にケチを付け、自分を納得させる着こなしを見せなければ原稿を完成させないと難題を課す。その後、織部に助けられた丸山の服装に負けを認めるが、短編の依頼を勝手に前後篇にしており、再び後編の原稿を巡って同様の騒動を起こす。今度はノーネクタイパーティに白シャツ黒靴という織部でもまずは無理と即答する難題を課す。
※この「白シャツ編」の解説は、「王様の仕立て屋」の解説の一部です。
「白シャツ編」を含む「王様の仕立て屋」の記事については、「王様の仕立て屋」の概要を参照ください。
- 白シャツ編のページへのリンク