発電所に関する備考
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 14:54 UTC 版)
日本発送電帰属発電所 中部配電管内の地域において日本発送電に発電設備を引き継いだ事業者は、中部配電第一次統合11事業者のうち揖斐川電気工業・日本電力・東邦電力・中央電力・中央電気・長野電気・矢作水力・信州電気の8社のほか、大同電力・木曽発電・神岡水電・東京電灯・東信電気・京浜電力・梓川電力・富士電力・大井川電力・愛岐水力・中部共同火力発電・信越化学工業の12社がある。このうち信越化学工業は旧長野電気系列の化学メーカーであるが、自社水力発電所と自社化学工場を直結する送電線の設置が認可されないためやむなく日本発送電経由で送電していたところ、1944年12月に発電所譲渡を余儀なくされたものである。 日本発送電が運営する発電所は「電力管理法施行令」にて出力5000キロワット超の水力発電所と出力1万キロワット超の火力発電所、ならびにこれらと密接な関係を有する発電所、と定められていた。従って出力5000キロワット以下の発電所でも日本発送電に引き継がれたものが多数あり、中部配電管内では出力325キロワットの川下発電所(愛知県)が最小規模であった。 中部電力への発電所移管 中部配電は1950年度末(1951年3月末)時点において、水力発電所168か所・総出力13万7495キロワットおよび火力発電所3か所・総出力6035キロワットを保有していた。発電所数・出力に1951年4月中の変更はなく、そのまま1951年5月1日付の電気事業再編成を迎えた。再編成では供給区域の変更に伴い袖川・船津両水力発電所(総出力342キロワット)が北陸電力に引き継がれたが、それ以外の発電所はいずれも中部電力に継承された。 また日本発送電所属発電所のうち、水力発電所54か所・総出力59万9875キロワットおよび火力発電所3か所・総出力28万7000キロワットも中部電力へと引き継がれた。従って設立時の中部電力が持つ発電設備は、水力発電所220か所・総出力73万7028キロワットならびに火力発電所6か所・総出力29万3035キロワットであった。 統合対象外の発電所 中部配電設立後の1942年末段階で、中部配電管内に発電所を有し他の電気事業に電力供給をなす「特定電気供給事業者」の扱いをうける事業者には日本軽金属・東海紙料(以上静岡県)・長野電鉄(長野県)の3社と前述の信越化学工業があった。日本軽金属は1939年7月に「富士川電力」という電力会社(同年1月開業)を合併して山梨・静岡両県に大規模水力発電所を建設、それを電源にアルミニウム製錬工場を操業していた。また東海紙料はパルプ製造、長野電鉄は電気鉄道の電源としてそれぞれ水力発電所を建設し、余剰電力を電力会社へ売電していた事業者にあたる。この3社は発電所を配電会社・日本発送電へ供出しておらず、1951年3月末の段階でも自家用の扱いで水力発電所を運転している。 1951年3月末の段階において中部配電管内で自家用水力発電所を運転する会社には、上記3社以外にも本州製紙中津工場・神岡鉱業神岡鉱業所・揖斐川電気工業(以上岐阜県)・昭和電工・電気化学工業(以上長野県)の5社があった。
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