発表経過・復刻
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1962年(昭和37年)1月5日、銀座松屋で開催された若い写真家のグループ展「NON」展に、「薔薇刑」というタイトルで写真20点が出品された。この「薔薇刑」という名は、三島が複数挙げた候補名(「受苦のエスキース」「男と薔薇」「悪夢遁走曲」「受難変奏曲」「死と饒舌」「薔薇刑」)の中から細江が選んだもので、出版本のタイトルも三島により、この命名にした。そして翌年1963年(昭和38年)3月25日に集英社より杉浦康平の装幀で写真集『薔薇刑』が刊行された。当時の定価は3,500円だったが、その後、稀覯書として国際的に評価が上がり、2003年(平成15年)の段階で古書値は数十万円の高値となった。 海外からの強い再版の要望により、三島の新たな付記を加え、1971年(昭和46年)に横尾忠則の装幀による『薔薇刑 新輯版』が集英社より刊行された。この本は三島事件の翌年の刊行となり(打ち合わせは三島の生前にされたもの)、これも古書で約十数万円台する。写真集を入れる函を開くと、横尾デザインの三島の涅槃像のインド的な絵が現れる。 1984年(昭和59年)にも集英社より粟津潔装幀による『薔薇刑・新版』(ISBN 408532019X)が刊行されたが、これは古書で約2 - 3万円台である。21世紀初頭に出された、同じ装幀の『英語版 薔薇刑』の方が、ネットなどでは購入しやすい。 完全復刻版は、2008年(平成20年)11月に細江の署名入りで日本版と海外版で各500部出されたが、日本では定価52,500円(税込特別価格)にも関わらず、約1日半で完売した。 三島没後45年の2015年には、パリのギャラリーSAGE Paris(1月22日-3月28日)と東京築地のふげん社(3月5日-3月31日)で「薔薇刑」展が開かれた。
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