瘤取りとは? わかりやすく解説

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こぶ‐とり【×瘤取り】

読み方:こぶとり

昔話の一。鬼の酒盛り出会った爺(じじい)が踊り仲間入りをして喜ばれ、また来るようにとほおのこぶをとられる。これを聞いた隣の爺もこぶをとってもらおうと出掛けたが、踊りが下手でもう一つこぶをつけられたという話。宇治拾遺物語醒睡笑などにみえるこぶとりじじい。


瘤取り

作者太宰治

収載図書昭和文学全集 第5巻
出版社小学館
刊行年月1986.12

収載図書お伽草紙
出版社三心出版社
刊行年月1998.12
シリーズ名大活文芸選書

収載図書お伽草紙新釈諸国噺
出版社岩波書店
刊行年月2004.9
シリーズ名岩波文庫

収載図書大活字版 ザ・太宰治全小説全二冊 上巻
出版社第三書館
刊行年月2006.10

収載図書お伽草紙
出版社未知谷
刊行年月2007.4


こぶとりじいさん

(瘤取り から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/17 05:11 UTC 版)

こぶとりじいさんこぶ取り爺)は、日本の民話昔話)。


注釈

  1. ^ 松谷みよ子がアンソロジーで紹介。
  2. ^ 塚本編本[13]、小林訳参照[14]
  3. ^ この「大柑子」ほどの瘤のせいで人と交わる生業につけなかったと続くが、稿本によってはそれらの記述は欠落する。
  4. ^ 日本の鬼は、賄賂を取って便宜を図るなど人間臭さをみせ、西洋の悪魔にくらべてユーモラスに描かれる、と指摘される[19]
  5. ^ 喜多村信節も『嬉遊笑覧』(1830年)で触れている。
  6. ^ 崔仁鶴(チェ・インハク)『韓国昔話の研究』にて「476 瘤取り爺」という型に分類される。11話を列挙[24][28]
  7. ^ ハングル보통학교조선어독본; ハンチャ普通學校朝鮮語讀本; RRBotong hakgyo joseoneo dokbon; MRPotʻong hakkyo Chosŏnŏ tokpon.
  8. ^ アイルランド民話との類似性は、日本に派遣されていた裁判官チャールズ・グッドウィン英語版が1875年に学会発表したが、公に刊行されたのは1885年である[36]。だがその間の1878年にジョルジュ・ブスケがグッドウィンの考察として発表している[38]
  9. ^ "lusmore"というアイルランド英語のもとはアイルランド語の"lus mór"(大いなる野草)である[40]。井村訳は「ラズモア」と訓じたが、元のアイルランド語に忠実に発音するなら濁音にならない「ルスモール」あたりが正しいだろう(ただ"Lismore"の「リズモア」と「リスモア」のようにカナ表記はぶれると思われる)。
  10. ^ 本書は、夢枕獏の公式ホームページ上で連載されたものである。「宇治拾遺物語」を踏まえ、京都が舞台になっている。

出典

  1. ^ 巌谷 1927編「瘤取り」pp. 136-146。
  2. ^ 大島 1984 [1977]、p. 303。
  3. ^ 柳田 1941 [1934] 「瘤二つ」。『日本の昔話』所収、155-157頁。
  4. ^ 関 1978『大成』pp. 262-270
  5. ^ a b Antoni, Klaus (1991). Momotaro (The Peach Boy) and the Spirit of Japan: Concerning the Function of a Fairy Tale in Japanese Nationalism of the Early Showa Age. 50. 182, n19. https://nirc.nanzan-u.ac.jp/nfile/1643 
  6. ^ Ikeda, Hiroko (1971). A type and motif index of Japanese folk-literature. FF Communications 209. Helsinki: Suomalainen Tiedeakatemia. p. 128. https://books.google.com/books?id=RXnBTZK1DvgC&pg=PA273 
  7. ^ 稲田 & 小沢 1988「こぶ取り爺」『日本昔話通観』、77-80頁
  8. ^ a b 大島 (1984)[1977]、p. 303。
  9. ^ 佐々木喜善 1964, p. 121.
  10. ^ 佐々木喜善 1964『聴耳草紙』、p. 192; 同1931年、10-16頁?
  11. ^ 『瘤とり爺』”. 民話の部屋. 東京テレホン放送. 2023年1月17日閲覧。
  12. ^ 松谷みよ子 1986、『昔話十二か月〈二月の巻〉』所収「こぶとり」
  13. ^ 塚本 1922編「鬼に瘤を取られる事」『宇治拾遺物語』、4-9頁。
  14. ^ 小林 2006訳「鬼に瘤を取られる事」『宇治拾遺物語』、14-18頁。
  15. ^ 塚本 1922, p. 4.
  16. ^ a b 小林 2007, p. 14.
  17. ^ "ōkōji 大柑子"『精選版 日本国語大辞典』 @ Kotobank. 2020年04月24日閲覧。
  18. ^ a b 石井, 正己 『絵と語りから物語を読む』大修館書店、1997年、64-68頁。ISBN 4469221333https://books.google.com/books?id=3ilMAAAAMAAJ&dq=%22瘤%22+%22目%22+%22鼻%22+%22鬼%22 
  19. ^ a b 長野, 甞一 著「今昔物語集、その他の説話(付、説話)|宇治拾遺物語」、市古, 貞次 編 『古典文学研究必携』学燈社、1967年2月、106頁https://books.google.com/books?id=ZyxJAAAAMAAJ&q=%22こぶ取り%22 ;再掲:長野甞一説話文学論考』笠間書院、1980年、241頁
  20. ^ 塚本 1922, p. 9.
  21. ^ 小林 2007, p. 18.
  22. ^ 小峯 1987, p. 15.
  23. ^ a b c 関 1978『大成』p. 271
  24. ^ a b c d 大島 (1984)[1977]、p. 302。
  25. ^ 槙 1989, p. 199.
  26. ^ 永吉雅夫「太宰春台と「産語」」『追手門学院大学文学部紀要』第23号、追手門学院大学文学部、1989年、 311-309頁、 ISSN 03898695NAID 110009512260
  27. ^ 永吉 1989, pp. 313–311.
  28. ^ 川森博司「日本昔話における対立の構造:隣モチーフを中心に」『国立歴史民俗博物館研究報告』第32号、国立歴史民俗博物館、1991年3月、 1-21頁、 doi:10.15024/00000469ISSN 02867400NAID 120005747802
  29. ^ 高橋, 亨瘤取」 『朝鮮の物語集』日韓書房、京城、1910年、1-5頁https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/993653/9 
  30. ^ 崔 1974, p. 55.
  31. ^ 林i, 鎭代 (2011-03-31). 象徴としての"鬼"と"トッケビ" -子どもに語る昔話. 30. http://id.nii.ac.jp/1084/00000320/ 
  32. ^ An Audible Witness to History”. National Museum of Korean Contemporary History (2019年). 2020年4月29日閲覧。
  33. ^ Kim, Jong-dae (2017年4月5日). “Dokkaebi: The Goblins of Korean Myth”. 2020年4月29日閲覧。
  34. ^ Bak, Mikyung (2014). The Folktale “Hokpuri Yongkam” and the Visual Representation of the Korean Dokkaebi. 1. 231-236. http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/download?doi=10.1.1.968.2127&rep=rep1&type=pdf ; pdf@Semantic Scholar
  35. ^ 朴, 美暻 (24 September 2015). ドッケビと韓国の視覚文化 20世紀、韓国の大衆文化におけるドッケビの視覚イメージの形成と定着過程 (Ph. D.). 京都大学. doi:10.14989/doctor.k19250 (要旨)
  36. ^ a b c Goodwin, Charles Wycliffe (1885). On Some Japanese Legends. 3. 46-52. https://archive.org/details/in.ernet.dli.2015.70888/page/n169/mode/2up/ 
  37. ^ 山岸, 徳平 『説話文學研究』有精堂出版、1972年、56, 232頁https://books.google.com/books?id=W8mxAAAAIAAJ&q=%22ノックグラフトン%22 
  38. ^ Bousquet, George[s] (15 October 1878). Le Japon littéraire. 29. JSTOR 44752662. https://books.google.com/books?id=liW3fsNS0RcC&pg=PA772 
  39. ^ イエイツ, W・B井村, 君江 訳・ 編「ノックグラフトンの伝説」 『ケルト妖精物語』筑摩書房、1986年、94-103頁。 
  40. ^ Notices of the folk-lore of other Continents. 1. (1888). 81. https://books.google.com/books?id=0psqAAAAYAAJ&pg=RA1-PA81 
  41. ^ 岩瀬, 博 『伝承文芸の研究: 口語りと語り物』三弥井書店、1990年、64頁https://books.google.com/books?id=pdc0AQAAIAAJ&q=%22五〇三%22++%22小人の贈物%22 
  42. ^ 崔 1974, p. 322.
  43. ^ 五来 1991、『鬼むかし』所収「瘤取り鬼と山伏の延年」の章
  44. ^ 稲田 & 稲田 2003『日本昔話百選』#26、「こぶとり爺じい」、130-135頁。
  45. ^ 『御伽草子』:"このお爺さんは、四國の阿波、剣山のふもとに住んでゐたのである。といふやうな氣がするだけの、別に典拠はない"
  46. ^ 太宰治 1945.
  47. ^ 1975年(昭和50年)1月7日 第1回放送の第1話
  48. ^ 「こぶとりじいさん (日本昔ばなしアニメ絵本 (8))」佐々木昇 (著), やまだ三平 (イラスト)
  49. ^ 「こぶとり」アニメ昔ばなしシリーズ4(平田昭吾、永岡書店 1997年)
  50. ^ 夢枕獏『陰陽師 瘤取り晴明』文藝春秋、2001.10、ISBN 4163204806
  51. ^ 週刊朝日風俗リサーチ特別局編『デキゴトロジー』(Vol.1-Vol.13)新潮社〈新潮文庫〉、1983.1-1994.5、ISBN 410121123X
  52. ^ ひろさちや『昔話にはウラがある』新潮社、1996.12、ISBN 4103787066


「こぶとりじいさん」の続きの解説一覧

瘤取り

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 04:27 UTC 版)

お伽草紙 (太宰治)」の記事における「瘤取り」の解説

太宰治作の『お伽草紙』の「瘤取り」は、阿波国設定書かれている主人公の翁は阿波踊り披露して鬼の喝采を得、瘤を質にとられるが、酒好き孤独な翁にとって「瘤」は可愛い孫のように愛しく孤独慰め存在であった逆に隣の翁は、地元名士で、瘤を心底憎んでいた。ところが鬼の前で「是は阿波の鳴門一夏(いちげ)を送る僧にて候。さても此浦は平家一門果て給ひたる所なれば…」などと、その地の平家滅亡主題謡曲通盛』を披露して閉口される。

※この「瘤取り」の解説は、「お伽草紙 (太宰治)」の解説の一部です。
「瘤取り」を含む「お伽草紙 (太宰治)」の記事については、「お伽草紙 (太宰治)」の概要を参照ください。

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