用途、使用上の注意点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/22 00:00 UTC 版)
電解液の種類などによって最適な使用電流があり、外形が同じでも、使用目的が異なるいくつかの種類が製品になっていることがある。ボタン型の形状で比較的小型の製品が多い。複数のセルを一つのパッケージに収めた高電圧の製品(カメラ向けで4つのセルを縦に繋いだ、6.2Vの4SR44(相当品:4G13、544、PX28、RPX28)(Canon AE-1等Aシリーズで採用)等)もある。 時計、補聴器、カメラ(露出計、電子シャッター)、電子体温計などが主な用途である。LEDが普及する以前は、酸化銀電池を電源として豆電球を光らせるキーホルダー形懐中電灯の製品が存在した。現在ではリチウム電池とLEDを用いたものに代わっている。 軍用品では魚雷の推進用などの大型電源から火器信管などの小型電源まで幅広く使用されている。これは電池が装置に封入された状態で数年~20年もの長期に渡り保存されるためである。ソビエトが使用した魚雷のСЭТ-65、УСЭТ-80、СЭТ-72、СЭТ-72вなどでは推進用の電源として使用されていた。 宇宙開発にも利用されておりスプートニク1号にはA電源5セル、140Ah、7.5VとB電池86セル、30Ah、130Vで合計重量51kgを搭載して打ち上げ後21日間動作を続けた。 太陽電池が高価だった時代、人工衛星の電源として使われた(おおすみなど)。現在は太陽電池とニッケル・カドミウム電池、ニッケル水素電池などに置き換えられている。 アルカリ電池LR44、LR41等を使用する機器に、SR44、SR41を使用することが可能である。電池の電圧差(酸化銀電池の方が0.05V高い)についてはほぼ無視できる。ただし、酸化銀電池を使用する機器に、アルカリ電池を使用すると、寿命や電圧の違いにより、機器が正しく働かなくなるので注意が必要である。 酸化銀電池を長期間保管していると、端子部分が粉を噴いたような状態になることがある。これは微量のアルカリ液が蒸発して結晶化したソールティングと呼ばれる現象である。乾布できれいに除去すれば再使用できる場合もあるが、再発により機器が腐食する恐れがある。
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