生理的な影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 09:54 UTC 版)
においは人に生理的な影響を与えることがある。例えば、ジャスミンの匂い(香り)は心拍のパワースペクトルのLF成分を有意に増大させる、との研究もある。これはジャスミンの香りが副交感神経の活動を増大させ(=交感神経を抑制し)、精神性の負荷を減少させることを示唆している。 アロマテラピーは中世にその原型が生まれ、20世紀により具体的に提唱された。主として花や木に由来する芳香成分の香りを活用し、ストレス軽減など心身の健康維持に役立つ、ともされる技術である。 視覚的イメージ(視覚内容)、音(聴覚内容)、味(味覚内容)などに比べると、匂い(嗅覚内容)というのは、論じられたり教育されたりする機会は比較的少ない。また、近年の日本では匂いが無いまたはや少ないことが良しとされる傾向があり、家庭用の消臭剤や消臭グッズ、微香性の化粧品・整髪料などを買う消費者も多い。このような「匂いを避ける」という現象の背後には、《匂いの抑圧》があり、さらにその背後には《本能の抑圧》や《性の抑圧》が潜んでいる、と鈴木隆は述べた 現代では、様々な業種の企業が、においをイメージアップや販売促進に活用しようとしている。こうしたことは10時間以上も香りを長続きさせる最新のにおい噴霧器が開発されたり、「禁煙を手助けする効果がある」「記憶力を高める効果がある」とされる《機能性アロマ》が開発されたりしたことによる。ただし、人工的な香りが氾濫することによって、「日本人がもつ繊細な《香り文化》が失われつつあるのではないか」「自然の、かすかなにおいを教える必要があるのではないか」という専門家の指摘もあるという。
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