生徒への影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/06 05:50 UTC 版)
学校関係者や政策担当者はしばしば、学校内における体罰が生徒の行動や成績を改善させると主張する個人的な事例を信用する。しかし、体罰が教室においてより適切な管理につながるという実証的な証拠はほとんどない。とりわけ、生徒の道徳的な人格形成の強化、教員や他の権威ある人物への敬意の向上、教員の安全の改善といった点を示唆する証拠はない。 多くの小児医療学や心理学の団体は、学力の低下や反社会的行動の増大、生徒への傷害、好ましからざる学習環境といった結果を挙げて、あらゆる学校内における体罰に反対する声明を出している。それらの団体には全米医師会(英語版)、アメリカ児童青少年心理学会、米国小児科学会、青少年薬学会(アメリカ)、アメリカ心理学会、イギリス王立小児科・児童健康大学(en)、イギリス王立心理学大学(en)、カナダ小児科学会(英語版)、オーストラリア心理学会(英語版)が含まれ、アメリカの全国中学校校長協会(en)も同様である。 全米小児科学会(AAP)によると、体罰は他の学校における管理手法よりも効果が低く、「称賛、価値観を尊重する話し合い、肯定的な役割モデルの方が、体罰よりも人格や敬意を発展させる」ことが研究で示されている。学会は、生徒への体罰が数多くの有害な結果をもたらしていることが証拠によって示されていると述べている。その内容は「攻撃的かつ破壊的な行動の増加、教室での破壊行動の増加、低学力、短い集中力、退学者の増加、登校拒否と学校恐怖症、低い自尊心、不安、不定愁訴、自殺や教員への報復の増加」といったものである。AAPは、非暴力的な行動管理指針、学校環境の変革、教員への支援といった内容を含む、体罰に代わる多くの手法を推奨している。
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