球体_(三浦大知のアルバム)とは? わかりやすく解説

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球体 (三浦大知のアルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/13 01:37 UTC 版)

球体
三浦大知スタジオ・アルバム
リリース
ジャンル R&Bポップヒップホップダンス・ポップ
時間
レーベル SONIC GROOVE
プロデュース Nao'ymt
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 週間5位(オリコン
  • 三浦大知 アルバム 年表
    BEST
    2018年
    球体
    2018年
    OVER
    2024年
    テンプレートを表示

    球体』(きゅうたい、: Sphere)は、2018年7月11日にSONIC GROOVEより発売された、三浦大知の7作目のアルバム。約3年半の月日をかけ、三浦がプロデューサーNao'ymtとともに、ヴォーカル×ダンスパフォーマンスの可能性を追求したコンセプチュアルプロジェクトである。アルバムは、CD+DVD、CD+Blu-ray、CDのみの全3形態で発売された。

    音楽性

    本作はアルバム全体としては、アンビエントR&Bや、チルアウト寄りのダンス・ミュージックといった、アメリカを中心としてグローバルなトレンドとなったサウンドとの同時代性を持っている。批評家/ライターのimdkmは、アンビエントR&Bの筆頭でしばしばローファイな録音をコラージュ的に取り入れる――Frank Ocean『Channel Orange』や『Blonde』に対して、本作は一貫してハイファイで、クリアな音像を維持していると指摘している。また本作を特徴づけるサウンドとして、収録曲「円環」や「テレパシー」、「世界」にみられる、80年代の王道をゆくポップスを彷彿とさせるPCM系のドラムマシンやきらびやかなシンセサイザーの音色を挙げている。また本作では「飛行船」などの楽曲で、フューチャー・ベースをはじめとしたEDM以降のダンス・ミュージックが取り入れられている[4]

    評価・批評

    • 蔦谷好位置は、テレビ朝日系関ジャム 完全燃SHOW」の企画「売れっ子音楽プロデューサーが選ぶベスト10曲 2018」にて、本作の収録曲「飛行船」を1位に選出し、「日本人の作るポピュラー音楽における芸術性を近年最も感じた曲」と評価した[5]
    • ミュージック・マガジン」の鈴木孝弥は、「言葉、歌は美しい」が「サウンドの振り幅、落差の刺激が過剰で、音の意匠そのものを許容しきれない場面」が多いと述べた[1]
    • また同誌は、2021年3月号掲載の「特集 [決定版] 2010年代の邦楽アルバム・ベスト100」にて本作を第27位に選んでいる。音楽評論家原田和典は選出に際して、「鮮やかすぎる新機軸だ」と本作を評した[6]
    • 上述のimdkmは、著書「リズムから考えるJ-POP史」のなかで、本作『球体』における、グローバルなサウンドにおいて「日本語」「日本」が歌われていることの屈折を指摘。星野源POP VIRUS』や宇多田ヒカルToo Proud」をヒントに、"「日本語によるポップ・ミュージック」と「日本のポップ・ミュージック」の同一性を前提としないポップミュージック"="「J」なしの「POP」"の可能性の探求を展望し、三浦が海外で築きつつあるファンベースにもその展開を期待しつつ、「J=日本」をポストグローバリゼーションの時代において再定義/定位する試みの必要性を論じた[7]

    公演

    アルバムの発売に先立ち、2018年5月25日から6月27日までの間に「"完全独演"公演『球体』」が全国7都市で開催された。公演は、三浦大知自身が演出、構成、振付し、ひとり歌い踊り、この物語を体現する形で開催された[8][9]。また、同年12月23日21時(日本時間)には、本アルバムの映像特典として収録された「球体」独演がYouTube Premieresにて世界同時配信された[10]

    収録曲

    Disc1: CD
    全作詞・作曲・編曲: Nao'ymt
    # タイトル 作詞 作曲・編曲 時間
    1. 「序詞」 Nao'ymt Nao'ymt
    2. 「円環」 Nao'ymt Nao'ymt
    3. 「硝子壜」 Nao'ymt Nao'ymt
    4. 「閾」 Nao'ymt Nao'ymt
    5. 「淡水魚」 Nao'ymt Nao'ymt
    6. 「テレパシー」 Nao'ymt Nao'ymt
    7. 「飛行船」 Nao'ymt Nao'ymt
    8. 「対岸の掟」 Nao'ymt Nao'ymt
    9. 「嚢」 Nao'ymt Nao'ymt
    10. 「胞子」 Nao'ymt Nao'ymt
    11. 「誘蛾灯」 Nao'ymt Nao'ymt
    12. 「綴化」 Nao'ymt Nao'ymt
    13. 「クレーター」 Nao'ymt Nao'ymt
    14. 「独白」 Nao'ymt Nao'ymt
    15. 「世界」 Nao'ymt Nao'ymt
    16. 「朝が来るのではなく、夜が明けるだけ」 Nao'ymt Nao'ymt
    17. 「おかえり」 Nao'ymt Nao'ymt
    合計時間:
    Disc2: DVD/Blu-ray
    # タイトル 作詞 作曲・編曲
    1. 「『球体』独演」    

    脚注

    1. ^ a b 「クロス・レヴュー」『ミュージック・マガジン』第50巻第10号、ミュージック・マガジン、2018年9月。 
    2. ^ 「アルバム・レヴュー」『ミュージック・マガジン』第50巻第11号、ミュージック・マガジン、2018年10月。 
    3. ^ 「クロス・レヴュー」[1]、「アルバム・レヴュー」[2]において5人の評者がつけた点数の平均値。
    4. ^ 【レビュー】三浦大知『球体』の衝撃”. fnmnl (2018年7月20日). 2021年5月10日閲覧。
    5. ^ 「関ジャム 完全燃SHOW」で三浦大知・中村佳穂らが有名音楽Pの2018年トップに選ばれ脚光”. ランダムビュー アソート (2019年1月23日). 2021年6月30日閲覧。
    6. ^ "特集[決定版]2010年代の邦楽アルバム・ベスト100"、MUSIC MAGAZINE、2021年3月号、株式会社ミュージック・マガジン
    7. ^ imdkm (2019年), リズムから考えるJ-POP史, blueprint, pp. 244-246, ISBN 9784909852038 
    8. ^ 全曲Nao'ymtプロデュースによるニューアルバム「球体」、アルバムと連動し同名を冠する”完全独演”公演「球体」開催決定。三浦大知オフィシャルウェブサイト
    9. ^ 三浦大知、新プロジェクト「球体」で魅せた斬新かつ深遠な世界”. DI:GA ONLINE. 株式会社ディスクガレージ (2018年7月4日). 2018年7月28日閲覧。
    10. ^ 三浦大知、『球体』独演をYouTube Premieresにて12/23世界同時フル上映決定”. Billboard JAPAN (2018年12月18日). 2019年12月10日閲覧。

    外部リンク


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