現行の制度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/28 14:04 UTC 版)
「日本美術刀剣保存協会」の記事における「現行の制度」の解説
1982年9月から開始された現行の鑑定制度では、合格した優れた日本刀・刀装・刀装具については4等級に分類され、下位から「保存(~刀剣・~刀装・~刀装具)」「特別保存(~刀剣・~刀装・~刀装具)」「重要(~刀剣・~刀装・~刀装具)」「特別重要(~刀剣・~刀装・~刀装具)」の等級が付与される。協会は刀剣・刀装・刀装具に対する鑑定審査基準を公表しており、その一例として刀剣の基準は次の通りである。 保存刀剣江戸時代を下らない(江戸時代以前の)各時代・各流派の作で銘の正しいもの、または無銘であっても年代・国・系統を指摘し得るもの。 前項に該当するもので、地刃に多少の疲れ、あるいはキズがあっても鑑賞に堪え得るもの。 地刃に補修のある場合は、美観を著しく損なわない程度のもの。 明治時代以降の刀工の作は在銘で出来の良いものに限る。 再刃のものは不合格とする。ただし、南北朝時代を下らない著名刀工の在銘の作で、資料性が高く、かつ地刃や茎の荒が少ない場合の再刃(焼直し)は、その旨を注記して合格とする場合がある。 在銘作は、銘字及び作風より真偽を俄かに決しかねるもの、また、無銘作で適切な極めを容易になし得ないものは「保留」とする場合がある。 特別保存刀剣 保存刀剣のうち、更に出来が良く、保存状態の良いもの。 前項のものの中で、以下のものは合格の対象とはならない。 (1) 再刃のもの。ただし、南北朝時代を下らない著名刀工の在銘の作で、資料性が高く、かつ地刃や茎の荒が少ない場合の再刃は、その旨を注記して合格とする場合がある。 (2) 室町時代及び江戸時代の無銘作。ただし、著名刀工の上作と鑑せられ、保存状態の優れたものについては合格とする場合がある。 重要刀剣 特別保存刀剣のうち、以下のもの。(1) 特に出来が優れ、保存状態の良好な、国認定の重要美術品に準ずると判断されるもの。 (2) 前号のもので、南北朝時代を下らないものは、無銘作でも合格の対象となる。また、室町時代以降の作は在銘に限り、かつ江戸時代以降の作は、原則として生ぶ茎在銘のもの。 特別重要刀剣 重要刀剣の中で、更に一段と出来が傑出し、保存状態が優れ、資料的価値が極めて高く、国認定の重要美術品に相当する、または国指定の重要文化財に準ずる価値があると判断されるもの。 最高等級の「特別重要(~刀剣・~刀装・~刀装具)」は隔年に一度のみ鑑定審査され、2021年時点で、刀剣1143口、刀装59点、刀装具80点のみが「特別重要」を冠する最高等級に列せられている。2021年には特別重要刀剣指定制度が始まってから50年を迎えたことを記念して、刀剣博物館にて「特別重要刀剣等指定制度五十周年記念ー日本刀 珠玉の名品展ー」が開催された。
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