現実世界での実践
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/10 06:05 UTC 版)
「心理学的ユートピア」の記事における「現実世界での実践」の解説
ヒルケ・クールマン(Hilke Kuhlmann)のLiving Walden Two(ウォールデン2を生きる)およびダニエル・W.ビョーク(Daniel W. Bjork)のB.F. Skinnerには、現実世界でウォールデン2を作ろうとする様々な努力が紹介されている。 紹介されている事例には、たとえば次のものがある。 1955年、コネティカット州ニューヘイブン(New Haven)でArthur Gladstoneが共同体の立ち上げを試みる。 1966年、ミシガン州ハートランド(Hartland)でWaldenwoods会議が開催され、Breilandリスト(スキナーに手紙を書き、Jim Breilandを紹介された人々のリスト)から大人83人子供4人が参加する。 1966年、Matthew Israelがウォールデン2の実現を目指すAssociation for Social Design(ASD)を設立する。設立後間もなくロサンゼルス、アルバカーキ、ワシントンD.C.に支部ができる。 1967年、Israelが前年に設立したASDが、マサチューセッツ州アーリントンにMorningside Houseを設立する。 1967年、バージニア州ルイーザ郡で「ツイン・オークス・コミュニティ(英語版)」が開始される。 1969年、カンザス州ローレンスで「Walden house」を名乗る学生共同体(後に「The Sunflower House 11」になる)がKeith Millerによって報告される。 1971年、ミシガン州カラマズーでRoger Ulrichが実験共同体「Lake Village」を立ち上げる。 1971年、メキシコのエルモシージョで共同体「ロス・オルコネス(英語版)」が立ち上げられる。 1972年、カンザス州ローレンスで「Sunflower House 11」が再開される。 1973年、ミズーリ州のオザーク高原でイースト・ウィンド・コミュニティ(英語版)が立ち上げられる。 ツイン・オークス・コミュニティ(英語版)の詳細は、キャット・キンケイド(Kat Kinkade)の著書A Walden Two experiment: The first five years of Twin Oaks Communityで知ることができる。この共同体は当初ウォールデン2の実現を目指し設立されたが、後にその立場を破棄した。しかし本作品に基づく「プランナー-マネージャー」の体制や「労働クレジット」などのシステムは、現在でも残している。 ロス・オルコネス(英語版)は、本作品で描かれているような「プランナー-マネージャー」の統治体制を採用していない。この共同体は、自分たちの体制を「パーソナクラシー(personocracy)」と呼んでいる。この体制は、実験を通じ現在も改良され続けているとされる。この共同体は現在も実験的行動分析を忠実に実践し続けているとされ、「ウォールデン2を真に実現した唯一の共同体」を自称している。1989年、本作品の著者スキナーはロス・オルコネスについて、「私がWalden Twoで打ち出した'engineered utopia'(工学的に実現されるユートピア)のアイディアに最も近いところまで迫っている」と評価した。
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